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〇切山椒

福を呼べ呼べ、福来たる!
商売繁盛、幸せ掻き込め、目に物見せてくれるわ~っ、
熊手と一緒に心も彩る、力強いぜ、切山椒!

  • 作りやすい分量で、ご紹介をしています。
  • <山椒味>
  • 上新粉‥‥‥100g
  • 砂糖‥‥‥80g
  • 粉山椒‥‥‥少々
  • 湯…‥‥‥00ml
  • <黒糖生姜味>
  • 上新粉‥‥‥100g
  • 黒砂糖‥‥‥40g
  • 砂糖‥‥‥40g
  • ショウガ汁‥‥‥小さじ1
  • 水‥‥‥95ml
  1. <山椒味の場合>
  2. ボウルに湯以外の材料を入れて、混ぜ合わせる。
  3. 湯を加え、滑らかになるまで、練るように混ぜる。
  4. 「蒸し器の穴の開いた段」にクッキングシートを敷いて、を流し入れる。
  5. 蒸気の上がった蒸し器で15分ほど蒸し、熱いうちに擂り鉢に移し、すりこぎで搗く。
    (擂り鉢、すりこぎ共に、搗く前に水で濡らしておく)
  6. 滑らかになったら、打ち粉(上新粉)をふった「まな板」の上などに移し、表面にも打ち粉をふってラップをかぶせ、麺棒で1cmの厚位にのす。
  7. 棒状になるように切り分け、くっつかないように切り口にも軽く打ち粉をふる。
  8. <黒糖生姜味の場合>
    ※山椒味に、準じる。

●いきなりではありますが、私の実家でのお話です★

 そういえば家を建て直すまでは寝室に、熊手がずーーーっと飾られてありました。 👀
 子供心に、「毎年、一回り大きいモノに買い換える☆」なんて習慣は知りませんでしたから・・・★
 ずっと、ずーーっとある「熊手の本当の意味」を知ったのは、けっこう大きくなってからだと思います。 😅💦

 その熊手も資料によると、
「玄関に飾るなら熊手を入り口に向けますし、室内なら南や東、西に向けます」
 と、あります。 👀
 そして可能なら、その年の恵方(吉方)に向けて飾るモノである・・・とありました。
 思えば南に向いてはいたかと思いますが、つくづくそういった習慣にはあまり縁のない・・・私の実家の様子なのでありました★ 😅💦

●はてさて。

 今回のお菓子は、行事食も踏まえての思案をしていたのですが、こんな話題が飛び出しまして。 👀
年の暮れ近くなってからなら、酉の市!ですよねっ、
 開運はもちろん、商売繁盛ときてますから、こいつは縁起が良いって処で☆」
 そして、酉の市の行事食と言ったら実は、「頭の芋(やつがしら)」なんです・・・★
 ・・・これが、下の写真の如くでして。

 里芋の一種なんですが、全身にコブコブが一杯あるせいでか、
「人の頭に立つ・・・だから、出世をするよね♡」
 の意味であったり、一つの株から子株を幾つも増やす事から、子孫繁栄を願う・・・というシロモノなんですね。 👀

 ・・・里芋のお仲間だとすると、今月の旬食材も山の芋だしで、10月のメニューの構成として全体を見てみると、色合い的には今ひとつ映えなくて、何だかインスタ映えがしないような・・・★
 そんな事を清水先生と2人、頭を悩ませていたのでした・・・。 (^_^;)

●ところが酉の市には、もう一つ行事食があったのでございます・・・♡

 それがこの・・・切山椒なんです!
 いえ、これは私も実は、食べたことも見たことも、買ったこともなかったんですが★ 😅💦

 何でも、「山椒は、葉も実も花はもちろん、そして幹に至るまで、捨てる部分が一切ない!
 この「すべて利用できる、縁起の良いモノ☆」で作られているなる、お菓子の存在をこの度初めて知りまして、
「これはもうもうっ、ひとつっ、ぜひにっ、いっぺん食べてみたいんです・・・っ!!」
 ・・・という事で、清水先生にリクエストをしてみたのでございました~、わーいっ♡ (^_^)/

●資料を見ていますと、もとはお正月に食べていた餅菓子☆なのだとか。

 お江戸の頃から愛されていたというお菓子だそうで、実は茶人の小堀遠州さんがお好きだったというお話も。 (゜_゜ )
 ・・・この方、備中松山藩の二代目藩主をお務めになり、その後にまた、近江小室藩の初代藩主を務められたお方であるとか。
 ダビンチのごとくに多才なお方であったようで、建築や作庭、書道に尊び、遠州流(小堀遠州流)茶道の祖でもあったらしいです、へ~え。 (‘_’)

 資料を見ますと、酉の市の模擬店でも切山椒は売られているようで、中には挽き茶を使ったモノやら、食紅を使ってのピンク色のモノやらで、色彩もけっこうに豊かに♡
 ・・・でもでも、そこはシンプルな処がお江戸っぽいよね、という処でこの度は、山椒味黒糖生姜味で仕上げて下さいました♡ (〃∇〃)
 黒糖生姜とくれば、どの健康誌でも大絶賛(!)の秋冬にはぴったりな取り合わせです。

 実は私、これを楽しみ♡に撮影に向かったといっても過言ではないくらいに、とっても楽しみにしておりましたっ! (^_^)v
 最後に、拍子切りに仕上げるので「切山椒」とも呼ばれるようになったらしく、これを丸く仕上げればこちらは「山椒餅」とも呼ぶよう。 👀
 今回は上新粉(つまり、お米の粉☆)で作られていますが、高級品は求肥で作るモノもあるみたいです♡

 切山椒「餅菓子の部類」に入るので、時間が経つと固くなってしまいますが、そこは「火鉢であぶって庶民が楽しんだ」とも・・・資料にあります。
 なんだか、生活感がいやます感じで楽しいですよね♡
 また焼くとなると、山椒の香りもたって、匂いからして元気になりそう♡ \(^_^)/
 ・・・酉の市以外にも、夷講(えびすこう)初芝居など、おめでたい席で愛されていたようですよ。

 なにしろ山椒さんと言えば、漢方で申す処には、胃腸に良い事はもちろん、夏なら虫除けにも使えるらしく。 👀
 ・・・その他、整腸作用や生活習慣病予防に、疲労回復にも効果があるそうで、食べていると風邪を引かない・・・ともあります。
 これから寒くなるこの時期に、ぴったりなお菓子でもあるんですねぇ、へ~え。 (‘_’)

●そもそも山椒パワーがみなぎっているのに、そこへアルカリ性食品でミネラルも豊かなんだそう!

 血行までも促して下さるという黒糖さんを合わせれば、もう怖いモノなし!
 こんなに素晴らしいお方なのに、見た目は素朴で、ボクトツ・・・。

 田舎から出てきたばかりの学生さんのような出で立ちの切山椒さんで、酉の市見物に出掛けるも良し!
 お家でのお茶請けにも、いかがですか?
 ・・・食感は、ボンタン飴!
 懐かしい味が、気持ちを和ませる・・・優しいお菓子です。 (^_^)/

 (2017.11.27 文責・山野亜紀)
 (料理・器/清水紀子)


 〇2017年11月のお膳

〇蒸し鮭の秋色あんかけ

☆「たどり辿って山のイモ、サケ愛されている日本人!」~霜月の旬エッセイ(2017年)

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