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☆「たどり辿って山のイモ、サケ愛されている日本人!」~霜月の旬エッセイ(2017年)

●・・・歴史をたどっていくとサケさん、とにかく日本人には愛されて来たらしい!

 北はアイヌといえば、サケ!
 戦国武将の贈り物に使われるのも、サケ!

 ・・・そして、その活躍のあまり、乱獲されてた時期でもあるのか・・・?
 お江戸は10代将軍・家治の頃には、越後は村上藩で「鮭の産卵・羽化のための種川の制・創立」と、資料にあります。 👀
 「種川での自然増殖の振興に努めたのだ」とありますが、日本人にとってサケさん。
 ホントに、すぐ隣りに暮らしているくらいに身近な存在だったのですね、へ~え。 😅💦

●さて日本という国はそれまで長らく暦は、「太陽太陰暦」を使っていました。

 なので、現代のように「誕生日を迎えて年を数える★」のではなく、「お正月に、皆で足並み揃えて1つ年を数える」・・・という文化を、長らく重ねておりました訳です。 👀
 お正月を迎えるのに「目出度い朱色のサケさん☆」は、年取り魚として、年末年始に食べられていました。

 ・・・現代のように「養殖が盛んでなかった時代だった」のでサケさん、とっても高級魚だったんですね★
 ちなみに西では、年取り魚はブリであったとも、資料にあります。 (゜_゜ )

●さてサケさんは、サケ目サケ科サケ属のお魚です。

 その語源は、アイヌ語なんだそうで「夏の食べ物」を意味する「さくいべ」とか、「しゃけんべ」からとも。 👀
 産卵期は、北の地でなら9月くらいから。
 本州では年を越して、2月くらいまで行われているのだそう。
 ・・・そして皆さまご存知の通り、河口から10キロ以上遡った辺りで産卵。

 水温が8度くらいの処でなら、約2ヶ月ほどで孵化をして、まずは産まれ持っている「お腹に付いてる栄養分」でしばらくお暮らしになり。
 ・・・50日程を掛けて、そこを食べきった処で、ぼつぼつプランクトンかなんかをお召し上がりになるかという処で、体質がチェンジ!
 海水耐性が発達して、いよいよ群れで海まで移動を始めるのだとか。 (^_^)/

 温かい時期には北の海でお暮らしになられまして、寒くなれば南へと移動をして行きます。 👀
 ・・・そして、3~5年くらい経でば体長が80センチ程度にまでなりまして、重さの方は3~5キロほどにまでも成長!
 産卵の為に産まれた川(母川)へと移動を始めるのです・・・。
 なので遡って来たサケはそれぞれ、その過ごした年数によって体格が違うんですって、へ~え。 (‘_’)

●・・・はてさて。

 サケの身の持つ「あの赤い色」は、婚姻色とも言われています。
 なので、産卵のために回遊してきた赤い身の色のサケは、ブナと呼ばれ。
 ・・・そしてある意味、まだ発情していない(その気のない)サケさんは、まだまだ銀色の体色なので、ギンゲと呼ぶのだそうですね。 👀

 さて、サケは河で獲れるだけでなくて海でも獲れますが、その身はまだ河を遡るほどまでには勿論、育ちきってはいない訳で・・・。
 そちらの方を「トキシラズ」と呼んでいたり。
 はたまた、本来ならば「ロシアの川に帰るはず」だったのが、何故だか道に迷ってしまって、北海道の川に登って来ちゃったりなんてお方も! (゚_゚i)

 ・・・迷い子さんなんだけども、これはこれで脂がのっていて美味しいので、「ケイジ(鮭児)」と呼ばれるお方がいらっしゃったり。
 サケさん、東のそちこちで獲られているので、土地により、種類により、様々な呼び名があるようです。 (^▽^;)

●ところで、天然の生の鮭には「アニサキス」という菌が多く見つかるとか・・・。

 なので、文明が発達するまでは「生食をする事は、殆どなかった!」んだそうですが★
 「マイナス20度以下で、24時間冷凍★」をすると、この菌は死滅をするらしく・・・。 👀

 そこでアイヌでは、「ルイベ(冷凍保存のままで味わう)」としてサケさん、古くから食べられていたのだそうですが、現代では「養殖専門の鮭」が巷に多く流通(!)
 ・・・こちらは「アニサキスが付かないように育て上げてしまう」ので、サケの生食も現代では、ぐっと増えているのだそうです♡

●ところで、赤みの魚は遅筋で作られ、白身の魚は速筋で構成されていると言われています。

 はてさて、サケさん。
 もとは白身のお魚であったのに、プランクトンやらオキアミはもちろん、色の赤い海老や蟹を食べている内に(贅沢な!)・・・その身を赤く染めていくのだそうです・・・。

 その色素の名前は、アスタキサンチン!
 ・・・それには高い抗酸化作用がありますから、抗癌作用や老化防止、動脈硬化を防ぐなどの効果があるのだとか。 👀
 良質なタンパク質はもちろん、含まれるEPAやDHAには、高い健康効果があるとも。
 ・・・こうしてみるとサケさんって、ホントに健康的なお魚だったんですねぇ・・・。
 「見慣れすぎてる」なんて言ってないで、どしどし、愛して差し上げたいお方です。 (^_^)/

●さぁ、もう一つの旬食材の「山の芋」の方に参りましょう!

 スーパーでよく見掛ける彼等ですが、日本ではこちらは大きく3種類に分かれるのだとか。 (^^ゞ
 まずは山の芋の代表格、天然モノの「ジネンジョ(自然薯)」です。
 ・・・これがいわゆる、日本原産の山の芋という奴です・・・。

 山の芋はどれも蔓性の多年草なのですが、特に野生のジネンジョはウネウネ、クネクネっとしています。 👀
 なので実は、皮を剥くだけでも一苦労・・・★ 😅💦
 何しろアクは強いですし、その粘り気も超・強力っ!!

 そしてその大きさといえば、ヘタをすると1メートルをも超える超・大物(!)にもお育ちになられるそうでして・・・。
 これが野生だとばかりに、熱く訴えてくる様子はたいしたものだと思われます・・・。 (-_-;)
 なので私が子供の頃のお話なんですが、「天然のジネンジョさん」を戴いたら、明治生まれの私の祖母は、卵やだし汁、ついでに牛乳なんかも入れて伸ばしていました。 👀

 とにかく、「お蕎麦屋さんで食べるトロロレベル」にするまでには、相当な努力が必要だったのを、覚えています。
 ・・・ジネンジョが1カップに対して、出来上がりが4~5倍くらいに増えた感じだったかと。 😅💦

 また「食べ過ぎると、ジネンジョは強いからアレルギーが出る」・・・なんて祖母は言いまして。
 とにかく、伸ばしまくってから楽しんだのを覚えています・・・★

●はてさて山の芋、2つめは「ダイジョ」と呼ぶそうす。

 この方は亜熱帯でお育ちになるらしく、沖縄や九州地方で栽培をされています。 👀
 ・・・そして3つ目が、「ヤマノイモ」
 中でも中国が原産のナガイモが、世間に一番出回っている(!)んだとか。

 また関東ではイチョウイモの事を「大和芋」と呼んだりもしますが、本物のヤマトイモは別名「ツクネイモ」と呼ばれるシロモノ。 (^_^;)
 近畿や中国地方で栽培されているそうで、水分は少ないんだけれども、粘り気は強いというシロモノなんだそうです。 

●ちなみにスーパーで並んでいるのは、栽培種の山の芋たちなんだとか。

 実はイモ類の中でも、生食できるのは、この「山の芋」だけなんだそう(!)
 たしかに、ジャガイモや里芋は生食したりしませんよね。
 ・・・なので山の芋さんだけは、擦りおろしてみたり、はたまた千切りで酢の物にしてみたり。
 サラダにしたり、漬け物にしてみたりとまぁ、山の芋さんて何て大活躍なんでしょう♡ (〃∇〃)

 とにかく豊富に含まれているヤマノイモの消化酵素なんですが、これが新陳代謝をアップ(!)
 なのですが、残念な事に・・・この消化酵素。
 「加熱をすると、効果がなくなってしまう!!」ので、とろろ汁を作る場合などには、要・注意!

 出汁など入れて伸ばす折には、それは冷ましてからの方が良いんだそうです。 (´_`。)
 また、この山の芋の「でんぷん分解酵素のアミラーゼ」「酸化還元酵素カタラーゼ」さんには、先ほどの新陳代謝を活発にして下さる他に、健胃や疲労回復、滋養強壮にも効果あり!

●そして、あの特有のヌルヌルのぬめりには、とっておき、ムチンが含まれているのです。

 こちらには、粘膜を保護するパワーを秘めていて下さってますし、コリンには新陳代謝、またサポニンには、 コレステロールを取り除いて下さっての血液酸化防止にも。
 ・・・はたまた、腎臓の機能を高めて下さいますし、高血圧にはもちろん、食物繊維も豊富なので、便秘解消にも効果があります。

 ちょっとヌルヌルして、面倒だな~・・・と感じてしまいがちな・・・山の芋たち。
 でもでも、こんなパワーがあるのですから、愛してさしあげませんか。
 11月の旬食材で和心きらり、美味しく、キレイに活躍します・・・♡ (〃∇〃)
 (2017.11.30 文責・山野亜紀)


 〇2017年11月のお膳

〇切山椒

第55話 私ってアザラシ?(20174年11月)

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