●今月の旬食材の事なんですが★
「お江戸の頃に、江戸前で愛されていたという、お魚さん」コーナーから紐解き、ご登場願ったのが何と、さより(細魚、針魚、鱵とも★)さんでございます。 (^_^)/
・・・お江戸の頃もそうだったんですが、現代でも実はさよりさん。
「秋刀魚(!)と一緒に括られて、扱われている地域」があるそう(!)
たしかに両者共に、細くて長いのは確かだけれど、なんとも扱いが大ざっぱすぎやしませんか・・・? (^_^;)
はてさて、その・・・さよりさんです。 👀
その名はどこから付いたのかといえば、「沢(岸辺)よりに、多く集まるお魚」からだとか。
はたまた、「さ」は細長い、「より」はこの魚の古名の「よりと」を略してだから・・・とか。
いやいや、こんなに細長いお魚なのに、実は106枚も鱗(ウロコ)があって、だから「細鱗(サイリ)」が変じて・・・などなど。
大ざっぱなんだけれど、説は幾つかあるようです。 😅💦
●さて、さよりさんと言えば。
まずはそのお姿が細身で、美しい流線型なのに目を引かれます!
日々、外敵から身を守る為に、徒党を組んでの団体行動♡
タツ目トビウオ亜目サヨリ科サヨリ属のお魚で、危険を察知した時には、トビウオの如く海面を飛び跳ねて逃げるのだそう(!)
その泳ぎ方が美しいのに加えて、美しいそのお姿、そして脂肪分が少なくて淡白なお味から、さよりさんは魚界の麗人美人とほめはやされている高級魚(!)なんですって、へ~え。 (゜_゜;)
・・・とにかく、古くから愛されてはいる(!)お魚のよう。
奈良時代の税法「延喜式(えんぎしき:律令の施行細則)」やら。
平安中期に作られたという、辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」にもそのお名前が見られ、何だか一応、とにかく人気者ではあるみたいです。 👀
●さてお江戸は六代将軍、家宣の時代に生きておられた方なんですが。
貝原益軒という人の、「大和本草(1709年)」という生物・農学書でも。
「さより、形小さくして円く長し、上のくとばし短く、下の嘴長がし」と、書かれているそう。 👀
・・・そう、さよりさんの上顎というのは真っ平らで、しかもウロコがありまして、上から見たら三角形なんですね!
この上顎って、蓋の役目しかしてないんだそうで、大事なのが下顎(!)
これを受け口として、上手に活用をして、プランクトンや海草なんかをお召し上がりになるんだとか。 👀
●さて、さよりさんは春から初夏の頃に。
海岸の海藻なんかに、しかも何回かに分けて(!)産卵をするそう。
一回で産む卵の数は「千か2千粒くらい」までで、「1年の間に、6千~1万3千粒も産む」といいますから、一族を絶やさないためにも、とっても頑張っている様子が覗えます。 ( ̄_ ̄ i)
その卵は球状で、2.2ミリほどの大きさの粘着性沈性卵。
その一粒一粒に、片方には5~6本くらいの細い糸が。
そして、もう片方には太い糸が1本付いていて、それが海藻に絡まって、ご自身を安定させているんだそう。 (‘_’)
大体2週間前後で孵化をしますが、そのお姿は6~8ミリほどだったのが、3~4日で10ミリとなり、10日で12ミリにまで。
・・・そろそろ、この辺りで下顎が発達。
25日程度で25ミリにまでご成長になり、ようやくにカニやらエビなんかの甲殻類の幼生、はたまた大きめのプランクトンなどを召し上がるようになるんだとか★
●そして、その細長いお姿には、なんと(!)
胃袋がないんだとか・・・★ (^▽^;)
なので「食い溜めが出来ない(!)体質」なんだそうで、メスは2年で30センチほどにまで成長。
オスならば25センチほどで、どう頑張っても40センチ程度までしか成長は出来ず、その寿命も2年が限度と言われているんですって、涙・・・。(>_<)
今回も「羽田市場」からのお取り寄せだったんですが、毎度のお魚調達でお世話になっている達さん(山野亜紀の知り合い)が言うことには★
さよりの太さは、ボールペンほどに始まって、育ってもハイマッキークラスまでなんだとか。 (^^;)
実際、秋風の吹く9月の瀬戸内海で捕れるさよりは、まだまだ10~15センチ程度の大きさなので、見た目まんまに「えんぴつ」と呼ばれているのだとか。 👀
・・・これが40センチになれば「カンヌキ」と呼ばれるようになり、その高級感もいや増す(!)と言いますから、驚きです♡ (〃∇〃)
●・・・はてさて、さよりさん。
水温が低い間は、その生活の場は、海も深場でお過ごしになり。
暖かくなって来れば、今度は沿岸にまで立ち戻り。
そのお姿も大きくなれば、水面に浮いている海藻や昆虫なんかもちょいちょいと摘まむようになるのだとか。 👀
そして水面を泳いでは、敵に会えば、あっちこっちと飛び跳ねて逃げまわるので、実は漁師さん泣かせのお魚でもあるそう。 (^▽^;)
上から見れば青緑なんですが、下から見れば銀色に見えるその筋肉は、半透明!
・・・これは、上からは海の青さで。
下からは、太陽光の白さに溶け込むことで、実は外敵から身を守っているのだとも。 👀
そして腹膜が真っ黒なので、「さよりのようにキレイだけれど、実は腹黒いお人(主に女性★)」なんて言葉が、そこかしこで紹介をされている・・・そんな、さよりさんなんですが。
●内蔵は、苦いので取り除いてしまいます。
身の方は、細胞の新陳代謝や皮膚・粘膜の成長には欠かせないビタミンB2やら、抗酸化作用のあるビタミンC、Eなどなど。
また骨や歯に必要なカルシウムやリン、DHAやEPAは、生活習慣病予防にも一役買います。
お江戸の頃は皆さん、どこに行くにも、歩いていくしかありません。
・・・なので、「どんなに頑張っても、マッチョな体型であるしかない方々★」が当時、愛していたのは、こんなにもさっぱりとしたお魚の味でした♡
今や高級魚なので、そこはなかなかに難しいのかも知れませんが、お会い出来たらやはり手に取り、愛してさしあげたいお方です。 (^_^)/
●さてもう一つの旬食材、ニラの方へ参りましょう。
中華のイメージが強いせいか、近代になってから日本へやって来た感が満載(!)のニラさんなんですが、実はなんと(!)
・・・古くは古事記に、加美良(かみら)というお名前でもご登場!
日本最古の歌集である「万葉集」では、久々美良(くくみら)の名前で綴られていて、奈良時代の古文書である「正倉院文書」には、彌良(みら)の名前でやはり、活躍をされております。 😅💦
・・・うーむ、古代日本から実は、とーーっても人気者だったようなニラさん♡
宮中で使われた女房言葉では、「二文字(ふたもじ)」と呼ばれていたのだとか。 👀
●そしてニラさんといえば、食べてパワフル、見てパワフル。
そして「その繁殖力」も、とーーーってもパワフルなお野菜です♡
ユリ科ネギ属の多年草で、株分けをするか、種を蒔いて増やします。
・・・春に種を蒔いたら、初めの1年はじっとガマン★
こつこつと育てては株分けを繰り返してで、根っこを太くしていったら、翌年からは「伸びた葉をカットしての収穫」になります。
とにかく、カットした先から伸びてはいくしで、多年草なので余裕で冬越えも致します♡
・・・古来より日本では、とーっても育てやすいお野菜だったみたいですね。 👀
家庭菜園でだってよく育つので、戦前の頃には逆に、八百屋さんには並んでいなかったくらいなんですって、へ~え。 (‘_’)
●こんな風に、年中手に入る感があるニラさんなんですが★
旬はやっぱり、冬から春にかけてなんだとか。
葉肉が厚くて柔らかいんだそうで、ちなみに黄いろいニラ(黄ニラ)は、太陽光線を浴びないように「日除けをして育てたニラ」なんだそう。
ウドでいうなら、白ウド。
大豆ならば「もやし」といった感じで、別名を「にらもやし」とも呼ばれているんだとか。 👀
緑のニラさんより、香りが淡くて上品な甘さがあるそうですよ♡
ところで「ニラ」というと、やっぱりあの匂いが気になりますよね。 😅💦
あれはアリシンといって、硫化アリルの一種だそう。
ニンニクや玉ねぎにも含まれているそうで、仏門に入っている方には向かないとされていた食材でもあったとか★
●ところが硫化アリルさん、実はこんなパワーをお持ちなんです♡
ビタミンB1の吸収を高めて下さったり、新陳代謝を活発にして下さったりと活躍の場がありますが、昨今ではこの香りも、薄くなるよう改良がなされているのだとか★ 👀
ビタミンAやB群にカロテン、カルシウムにマンガン、食物繊維などなど。
古来より「身体を温めてくれて、精力が付く野菜」として、重宝がられていたお野菜なんだとか。
体力向上、免疫力アップはもちろん、脂肪の分解や燃焼を促進させるダイエット効果にも、一役買います。
豚肉や豆、そしてやっぱりレバーとの組み合わせが、その溢れるパワーを戴くのに効率が良いそう(!)
この気候の変りやすい折りに、心して愛して差し上げようではありませんか。 (^_^)/
(2017.4.1 文責・山野亜紀)
〇2017年4月のお膳