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☆「命賭けだよ、キノコ狩り、いつから食べたの?キンメダイ!」~長月の旬エッセイ(2017年9月)

●9月ともなれば、秋の風情・・・☆

 いつもスーパーで見慣れている・・・キノコの群れではありますが、やっぱり♡
 ここは一つ、「☆秋の味覚☆」として正しく味わいたいっ!!
 という訳で、キノコ軍団は今回、目出度くも旬食材に選ばれたのでありました。 (^_^)/

 ・・・はてさて。
 きのこご飯の下りでも、ご紹介をしているのですが・・・。 👀
 江戸人にとって、「春の潮干狩り」と並んで「キノコ狩り」は、庶民はもとより(!)
 ・・・身分を問わずに楽しめてしまうという、もっとも親しみ馴染んだイベントなのでありました。
 交流の場であるのは勿論のこと、気軽な遠足としても大人気!だったんですね。o(^▽^)o

●ところでキノコは、たいていは落葉広葉樹に生えるモノらしく・・・。

 ブナや椎、クヌギに柳、ミズナラ・・・などなど、そんな処を寝床に暮らしております・・・。
 枯れ木や、木の切り株に生えるキノコを巡って、本当に・・・様々なドラマがあったかと思います。 👀
 何しろ、毎年この時期になると、どこかのテレビ局で必ずといっていいくらい、「毒キノコ対策特集(!)」が組まれているくらいですもの・・・★

 ・・・現代でも、コレですから。
 かの頃ならば・・・このドラマ、さぞや命に拘る事であったでしょう。 ( ̄_ ̄ i)

●・・・はてさて。

 よく「香り松茸、味、シメジ」とは申しますが。
 以外や以外、現代の高級食材・松茸さまは、花のお江戸でも大変に高価(!)なお品でありました★ 😅💦
 ・・・と、いうのは。
 「松茸さまがお生えになる赤松林というのは、西日本には多くても、関東ではとにかく、育ちにくいっ!
なのですが、この松林がなければ、松茸さまなんて絶対に生えてこない・・・っ! 😢

 なので「流通の整わない当時」は、西の方でだけでなら・・・例えば松茸専門の市が立っていたり。 👀
 むずかしい事さえ言わなければ、庶民でもけっこう、気安く口に出来ていたそうなんですが・・・。
 関東では逆に、わずかに甲州に赤松林があったか、という程度であったので。

 ・・・また、その数の少ない処を、たとえ江戸へ運び込んだはいたとしても、まずは将軍様の許へ、ひた走る事になっていたものですから・・・★ (^▽^;)
 とにかく、古来より「松茸さま」というお方は、天皇や殿様への献上品として、とーーーっても(!)重宝をされておられましたから。
 ・・・なかなかに、お江戸の庶民にまでは、お下りにはなられなかったのだとか。 (´_`。)

●もっとも、東のモノは西に比べて、どうしても香りが劣るのだとか★

 でもでも、たとえ劣っていたとしても、腐っても(?)松茸さまです☆
 将軍さまがお召し上がりになるとなれば、そこは・・・。

 「上野(こうずけ)太田の金山で採れる」と人に聞けば、そこは「何人たりとも、足を踏み入れられはしないように」と、そこは「御禁制山(おとめやま)」と定められ・・・。
 
まずは期日を決めて、その年の初物を収穫したら、その香りが飛ばない内にと、細心に心を砕きます。
 ・・・そして、将軍さまお召し上がりの松茸を運ぶ行列が組まれて、先頭には「御松茸御用」と書かれた木札を押し立て!
 (香りが飛ばないようにか・・・???)
 きつく封印をされた荷には、やっぱりと言えばやっぱりなんですが、そこには葵の御紋(!)が~・・・♬☆♬☆

 ・・・そして、その運び方にまでも、工夫が凝らされています・・・。
 なにしろ、道中が長い(!)・・・ですから★
 同じ人間がずーっと独りで運ぶとなると、どうしても、スピードに無理が出てしまいます・・・。
 なので、宿場ごとに運搬人が交代をしての、輸送方法な訳ですよね。 (^▽^;)

 カンタンに言えばリレー方式★なのですが、とにかくバトンの如くに、松茸を繋いで運んでいく訳ですが、・・・そこは今のように、電話もメールもない時代です。
 「松茸さまが来る!」となると、宿場毎の運搬に携わる者達は、大変なのです・・・。 ( ̄_ ̄ i)
 何しろ、いつ自分の宿場に「御松茸御用」の荷が着くのか判りません★
 しかも「モノがモノ☆」なだけに、香りが飛んでしまっては全く意味がなくなってしまうしでして★ 😢

 ・・そこを、何とか。
 スムーズに荷が、太田から江戸間を超特急(!)で到着ができるよう、運搬人達は、一心にお務めを果たされたのだと、資料にはありまことす。
 当時の松茸運搬人達は、さぞ胃が痛かったことでしょうね・・・。 (>_<)

●・・・はてさて。

 キノコには、それぞえに旨味や風味があって、また歯触りの要素もあるので、幾種類かを組み合わせて楽しめば、その旨味もいや増していくのだとか・・・♡
 どのキノコも食物繊維は多いので、食べればお腹の中でふくれてくれますし、満腹感も高い(!)です。

 ・・・デトックス効果も高いそうなので、いつも見慣れているアイテムであるとはいえ、やっぱり常々(!)愛していきたいお方ですよね。 (^_^)/

●さて、もう一つの旬食材、金目鯛さんの方へと参りましょう。

 ・・・おめでたい時、うれしい時。
 日本人の食卓には、ほとんどと言っていい程に出没して来るマダイ・・・。
 こちらは、スズキ目タイ科の魚類なんですが、金目鯛さんは、キンメダイ科の海産の硬骨魚。
 ・・・つまり、堂々と「鯛!」と名乗っておきながら、実はかのお方とは全く別種の魚(!)なのでございます・・・。

 ついつい、嘘つきっ!と言いたくなる処ではありますが★
 ・・・そこは、金目鯛さんのせいではないので、ご容赦を・・・☆ (´・ω・`)

●何しろ、「鯛は美味しくて、お目出度いお魚」です。

 ・・・なので、形が若干似ているから。
 はたまた、白身な処がタイに似ているから・・・などなど★
 とかく「タイを語るお魚は、多い!」のに、本物のタイの仲間って実は少ないんだそう。 👀
 そこは何だか、意外な感じがしますよね・・・★ (゜_゜ )

 ところで、皆さまご存知の通り!
 金目鯛さんは、深海魚ですよね♡
 ・・・果たして「お江戸の頃の日本人」が、そんな深海にお暮らしになるお魚を、獲る技術があったものでしょうか?

●山野亜紀・所蔵「学者さんが編纂した、料理蔵書」には、金目鯛料理の紹介は一つもありませんし。

 また当時を偲ばせる百科事典「和漢三才図会(1712)」にも、食材としての記載がありません。
 ・・・ないんですが、でもでもお江戸の浮世絵師の歌川広重が、「鱸(スズキ)と穂紫蘇と金目鯛を描いた1枚(写真・下)」を描き遺しているんです(!)

 なので、とりあえず「江戸人はきっと、暮らす土地によっては、金目鯛を知っている人もいたんじゃないかしらん?」とは、思うのです・・・。 (‘_’)
 金目鯛さんの名前は、そのつぶらな黄金色の瞳から、その名が付いたとも。 👀
 そして金目鯛さん、世界中の深海でお暮らしになっているようですが、日本では、本州は茨城県以南で、太平洋側の方でお暮らしになるよう。
 ・・・そういえば、千葉や伊豆、八丈島なんかの名物としても有名ですよね。

●考えてみれば、深海魚とはいえ、鮟鱇(あんこう)だって江戸人、食べていましたし。

 資料によれば金目鯛さん太陽があんまり、お好きではないのかな・・・?
 (だって、そこは深海魚★)
 昼こそ、深い海に潜っておられますが、  夜ともなれば表層に寄ってくる習性もあるのだそう(!)

 ・・・これは江戸人、「金目鯛さんだ!」とも思わずに、ただ釣れたから食べていた・・・。
 金目鯛さんについては、特に深くは、考えてはいなかったっ!!!
「・・・これって単純に、図鑑に載るチャンスが無かっただけの事じゃないのかなぁ・・・」
 というのが、以前に「金目鯛エッセイ」を書いた時の私と、殺陣の師匠・林邦史朗先生との意見なのでありました。 ( ̄▽ ̄)

●そんな・・・金目鯛さんなんですが。

 タンパク質と脂質が、他の白身魚に比べて多いのだとも・・・資料に。
 なので成長期のお子さんや、激しいスポーツを嗜む方には、ことさらに良いとあります。

 DHAやEPAを多く含んでおられますし、DHAには、脳を活性化する効果があるので、記憶力アップや、ボケ防止にも一役買って下さいますし。
 またEPAには、血液がサラサラになる事で、様々な病の原因ともなる高血圧や動脈硬化を抑止して下さいます。
 ・・・そしてビタミンB12も多いので、造血効果にも、期待ができます。 (^-^)

 スーパーや、お魚屋さんではよく見掛けるお方ではありますが、そんなお江戸の頃に気持ちも這わせて、ちょっと楽しんではみませんか?
 ・・・美味しくてキレイで、とにかくべっぴん!
 身体にうれしいお魚です♡ (〃∇〃)

 (2017.9.30 文責・山野亜紀)
 (料理・器/清水紀子)


 〇2017年9月のお膳

第53話 真剣試斬のイベントを(2017年9月)

◎9月のお膳(2017年)

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