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☆「愛されてきた証拠だね! キュウリにカツオだ、日本人」~葉月の旬エッセイ(2017年)

●今月の旬食材、キュウリさんの特といったら、その「水っぽさ」といった処でしょうか? 👀

 何しろキュウリさんときたら、その成分の9割が、なんと水分(!)
 なので昔から日本では、「水神と縁が深い野菜」とも言われていたそうなんです。

 ・・・そういえばキュウリさん、水神が妖怪化したカッパさんの大好物♡であったりもしますよね。 (‘_’)
 栄養価は低いそうなんですが、あの歯ごたえのある食感(!)
 そして何しろ「すっきりとした味わい」なので、我が国では暑い季節の水分補給に昔から、とーーっても重宝をされていたのだとか♡ (〃∇〃)

 考えてみれば、小型♡なので持ち運びに便利なのは、この上なし!
 また畑の隅にでも植えておけば、実がまだまだ小さくても食べられるそうなんですよ♡
 どう考えてみても、いちいち「水辺まで水を汲みに行く」よりも、キュウリさんを持ち歩きする方が荷物としても軽いし、はるかにお手軽だったという事もあったのでしょうか。 😅💦

●昨今の健康法では、「身体が乾かないうちに、チビチビと水を飲むのが良い!」とされていますから、キュウリさん。

 現代でも実に、「水分補給には、持って来い!」なアイテムなのかも知れませんね♡ (〃∇〃)

 ところでキュウリさんの原産地なんですが、インドはヒマラヤ山麓の辺りだと、資料にあります。 👀
 ・・・実はその頃すでに、世界には2種類のキュウリが存在(!)
 それぞれが、全く違うルートを通って世界に羽ばたいて行かれたのを皆さま、ご存知でしょうか。 👀

 まず第1のルートは、シルクロードを抜けて中国北部に広まっていったという、セイヨウキュウリ種。
 ちなみにこちらは「白イボ種」と呼ばれていて、果肉にはイボがなく、表面が平滑なお方なんですね。
 みずみずしくて、現代日本では、こちらの方が普及をしているんだそうですよ★

●実は(!)日本に最初にやってきたのは、セイヨウキュウリの方ではなくって。

 ビルマを経由して中国南部からやって来たなる、南伝キュウリの方だったんです。 (゚_゚i)
 ・・・それは、セイヨウキュウリよりも遥かに野生種に近く(!)
 果肉がとってもイボイボしていて、肉質にも粘りありっ!
 黒イボ種と呼ばれているそうで、セイヨウより実は、けっこうに苦いんですね★ (^▽^;)

 ・・・このように、元より2種類ある(!)というキュウリさんなんですが、そのどちらもウリ科の、キュウリ属でつる性の一年草です。 👀
 気温が10度より下がれば寒くて、とても育つことができず★
 はたまた、気温が25度を超えるようなら今度は、暑すぎて育たないという・・・実に、ひ弱なお方なのです・・・★

 しかも「地植えでの連作」にも弱くて、一度作った畑では、中3年はおいておかないと、同じ畑では全然育って下さらないんだとか★ ( ̄_ ̄ i) 
 ・・・けっこうキュウリさんって、デリケートなお方なんですねぇ、へ~え。 👀
 またキュウリさん大きくなると、ブルームと呼ばれる「白い粉をふく」そう!
 ・・・なんですが、昨今はコレが、農薬と間違えられてしまい・・・★ ( ̄_ ̄ i)

 そうとなると作り手の方でも考えてしまい、「粉を吹かないように」と、キュウリの品種改良が進んでいるとも聞きますが、こちらの品種は、元来のモノよりも、だいぶんに皮が分厚く育つんだとか。 😅💦
 そもそも、このブルームというのは「キュウリの水分を守るためにある!」のに、それを無くしてしまったせいでか、どうしても以前のモノよりも味わいが落ちて(!)しまっているんだとか・・・。 (>_<)

 ・・・そういえば、最近おいしいキュウリに巡り合えていないかも・・・。
 勇気を出して、粉を吹いたキュウリさんに手を出そうと決意する・・・昨今の私なのであります★

●ところで、その・・・キュウリさんなんですが。

 初めて日本にやって来たのは、奈良時代であったとか、いやいや平安時代であったとも。
 書物にその名が上るのは、平安の頃に出版されたという辞典「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に、ナスビさんと一緒に、仲良くご登場をされておられます。👀

 「キュウリ」と呼ばれるようになったのは、「シルクロードを通って来たので、それを表す胡の文字を使って」、まず「胡(えびす)の瓜」という意味でも呼ばれていたそう。 (‘_’)
 ・・・ところが時代も下り、中国も南北朝の時代に当時、バンバンとそちこちを攻め落としていったという後趙王石勒胡人の出であったので、・・・障りがあるとされたものか「黄瓜」の字に改名っ!
 それが日本に伝わって、「キウリ」がやがて訛って「キュウリ」と呼ばれるようになったのだとか。 (^^;)

●ちなみに、先に上げていた写真なんですけど。

 日本に古くから伝来した「南アジア型キュウリ」というのは、青い時分だと苦味が強すぎる(!)ので、大昔の日本では、ホントに完熟させて「黄瓜」として食べていたんだそう(!)

 こちらは育てば「50センチほどの大きさになる」というキュウリさんなんですが、この苦味のせいなのでしょうか…????
 資料にも、「菜瓜におよばず」だの「下品の瓜」だのとまぁ、長らくと蔑まれ★
 かの有名な徳川光圀にも、激しくけなされまくっておられるのです・・・いと、あわれ。 (T_T)

●なのでようやく江戸の後期になってようやく、みずみずしい北伝キュウリさんがやって来たのですが、なかなかに・・・愛されず★

 しかも、キュウリの切り口将軍家の葵の御紋に似ている(?)とかで、武家社会には、ことさらに愛されず★
 キュウリの断面がまた、織田信長を討った明智光秀の家紋・桔梗紋に似ているという事もあってか、特に侍には、すこぶる愛されていなかったのだと・・・資料に。😢

 そんな・・・北伝キュウリさんだったのですが、その後の品種改良もあって、お江戸の庶民には、すこぶる愛されました♡
 あぁ、良かったと胸を撫で下ろす感のある・・・キュウリさんなんですが。
 そこに含まれるカリウムには、利尿作用があって、むくみの解消にも効果あり!
 体を冷やす効果があるので、暑気あたりにも具合がよくて、血圧降下にも期待ができます♡ (^-^)

 ちょっと青臭いなぁという時もありますが、これはピラジンという成分。
 ところが実は、このお方には「脳梗塞や心筋梗塞に効果がある」のだそうですよ☆
 ・・・そしてキュウリの頭部って、そういえば・・・苦味成分がありますよね。 👀
 これはククルビタミンといって、苦いんだけれども、抗腫瘍性の作用も期待出来るんだそうです♡
 せひともこの夏、積極的にお付き合いをされてみては、いかがでしょうか。 (^_^)/

●はてさて、もう1つの旬食材、カツオさんに参りましょう。

 このお魚ほど、日本の民に愛され続けて来たお魚はいないんのではないでしょうか。 👀
 時代は、縄文の前にまでも遡ります。

 ・・・この頃には縄文人、犬を使っての狩猟が始まっていたり、栗を主食として栽培をしていたり。
 魚だって、罠を使っては網で掬うという「陥穴漁」が、大変に盛んだったとか。
 ・・・うーむ、おぉ縄文人。
 ただの古代人だと思っていたのに、もうはや、ヒトとしての智恵がある・・・。 ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

●そして、あともう少しで奈良時代かなぁという頃にまでやって来ますと。

 中国との交易の記録にもあるくらいにカツオさん、華々しく活躍をしておられます♡
 なんと「日本の産物」として中国への貢ぎ物の明細に・・・例えば、鹿のすしやら、猪の干肉などと並んでカツオさん、堅魚(かたうお)の名で並んでおられるんですねぇ、いやぁ、ご立派っ!!

 ・・・ちなみに、「鰹という字」はこの、「堅魚(かたうお)」から成ったとの説もありますが、そういえば日本には何と(!)
 古事記の時代から、鰹の加工品である鰹節が、もうありました。
 当時はまだ、堝型(なべがた)の土器で煮て、乾燥させただけのシロモノだったそうですが・・・保存食なので、もちろんに堅くっ。
 なので、固いからこそ、堅魚の文字はそこから来たという説もあるそうです。

●さて鰹はその習性ゆえに、太平洋側の諸国で多く獲れていたよう。

 日本でも伊豆を始めとして、日向や豊後、土佐、阿波や紀伊に志摩、遠江に駿河、相模に安房・・・などなど。
 たくさんの国の産物としても、貢納をされていたようです♡ (〃∇〃)

 はてさて、そんな・・・カツオさん。
 摂氏19~23度くらいの温かい海が好きで、日本近海だと黒潮に乗って、春には北上(!)
 そして秋の頃には、三陸の辺りでUターンで南下をするそう。
 ・・・・・・・・・寒い処は、苦手なんですねぇ、カツオさんってば。 (^_^;)

●春のカツオは「初鰹」と呼ばれて、まだ味も若くて、さっぱりとした味わいに。

 それがまた秋ともなれば、今度はお腹に太い脂の層を巻いてお育ちになるので、こちらはコッテリとした味わいに。
 皆さんご存知の通り、こちらは「戻り鰹」と呼ばれています。

 現代では、鰹は2~3月には、沖縄の八重山とか宮古の辺りに現れ。
 7~8月頃には、三陸沖まで移動をしていきますが、魚網での漁法はもちろんのこと、「土佐の一本釣り」は、超(!)有名ですよね。 (^_^)/
 「江戸っ子が、初鰹を珍重した」事は有名ですが、これが鎌倉の頃まで遡ってしまうと、今度は、
「カツオは、食べ過ぎると身体に、瘡(できもの)が出来る」
 なんて言われて当時は、とーーっても嫌われていたみたいなんです・・・。 👀

●現代でもカツオは、お寿司屋さんでは「足が速い(鮮度が落ちやすい、腐りやすい)」ので、余り扱いたくないと仰るお店も★

 ・・・鮮度が落ちてしまうと、ヒスチジン(という名の、赤身の魚が持つというアミノ酸★)が、魚に付着しているバクテリアと合体(!)
 力を合わせて、かの有名なアレルギー物質ヒスタミンへと、変っていきます・・・。
 これって花粉の季節に、さかんにテレビでお医者さんやら、薬屋さんが必死に叫んでいる、アレなんですね。 (T ^ T)


 食べればアレルギーを発症★
 蕁麻疹やら、中には吐き気を起こしたり、むくんだりする人もいるそう★ 👀
 このヒスチジンの分解って、冷凍している最中にも進むんだとか。
 ・・・これは心して、新鮮なうちに楽しみたい処です♡

●また、カツオが産卵するのは、日本の場合だと「春の1回だけ!」なんだそうですが★

 赤道の辺りに棲んでおられるお方たちの場合なら、周年でやるそう。 👀
 そして育てば、1メートル程にも生長(!)
 体重が18キロくらいになるのだそうですが、漁獲されているのは50センチ程度の型が多く。
 体は紡錘(ぼうすい)形で、尾ヒレ以外のヒレは小さく。

●・・・そして、私なんですが★

 これまで「魚のウロコは、全身にある(!)」と思って、ずっと信じていたんですが、カツオさんの場合はなんと(!)
 目の後ろから、胸ヒレにかけてと、側線の辺りにだけついているだけなんだと・・・★

 「側線」って、魚にとっては「身体の両側に並んでいる線状の感覚器であり、これで水流や水圧を感知している」んだそうですが。
 ・・・まぁ「ウロコ」と一口に言っても、ホントにそれぞれ、様々なんだなぁと、しきりに感心をした私こと、山野亜紀なんです★ (^^;;

●さて。

 カツオの旨味成分、つまりはタンパク質なんですが、あれはかの有名なうまみ成分のイノシン酸ですよね。 👀
 また脊髄に近い血合部分には、ビタミンB12やらナイアシン、鉄分やタウリンを多く含んでいるのでそれを食べれば、貧血予防にも一役買うとか。

 また皮の部分には、人には必要な、でも決して体内では作れないアミノ酸のリジンが含まれているので、銀皮造り(カツオの皮付きの、生のお刺身)で楽しむのは、実は理にかなっているのだという事でした。

 また気になる脂も、DHAやEPAといった成分ですから、生活習慣病予防にも効果あり(!)
 脳神経の働きもビタミンが助けて、血行は良くして下さるし、含まれるビタミンDは骨粗鬆症にも効き目があります♡
 どんな調理法でも美味しく食べられるカツオさんには今後も、上手に食卓に取り上げていこうではありませんか。 (^-^)
 (2017.8.31 文責・山野亜紀)


〇2017年8月のお膳

第51話 8月のあれこれ、何をする?(2017年8月)

◎8月のお膳(2017年)

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