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☆「最近知られる、ツルムラサキ!がっつき黒鯛、日本人」~文月のエッセイ(2016年)

●私こと山野亜紀の蔵書にあります、毎度の恒例の「日本の食文化史年表」でございます。

 その中に、「黒鯛にまつわる資料」がたった一件だけ、見つかりました(!)
 それは、なんと縄文時代(!)にまで遡ります・・・。 ( ̄_ ̄ i)

 かの時代はといえば、例の「縄目模様の付いた土器を、愛用していたご時世」
 これまた、1万年以上続いたという年代ですから、私こと山野亜紀的には、そこにも実は驚いてしまいます★ 😅💦
 ・・・そう。
 福島県弘源寺貝塚にて、縄文のその「陥穴漁が盛んになって来た頃」に、釣り針で釣ったと覚しき、黒鯛さまのお姿が遺されているという・・・まぁ、そんなお話なんですね。 (^▽^;)

●さて、長らく日本人とは、縁深くお暮らしになっていた・・・黒鯛さんなんですが。 

 スズキ目・タイ科に属するお魚で、日本では、北は北海道の南部から、南は奄美大島の辺りと、わりに広い地域で生息。 👀
 冬は海に潜って(水深5~60メートル)の辺りで、お暮らしになり。
 暖かくなって夏ともなれば、水深1~2メートルの浅瀬や河口域の辺りにまでやって来るので、釣り人にはとても愛されているお魚なんだとか♡

 なにしろ、かのお方は、がっつきで雑食★
 釣り餌にしても、もちろんよくある釣エサでも釣れるんですが、河口にやって来る「生活用水から出る残飯」も食べ慣れているそうなので、例えば野菜だとか。
 みかんの皮かなんかでも釣れてしまうという、大変八方美人なお魚なんだそうです★ (゜_゜;)

 しかも黒鯛さん、潮の満ち引きの加減から、河に登ってもなお、生きられてしまうという・・・とにかく、環境順応能力がとっても高いお魚(!)なんだそうで、魚河岸のあった築地では、
「真水(!)でも、活かせておける」
 と、けっこうに重宝がられていたなる時期もあったそうなんですが。
 ・・・昨今では、養殖も多く行われるようになりまして、今では値打ちが少し下がったとも・・・いやはや★ ( ̄_ ̄ i)

●さて、黒鯛の産卵は春。

 直径0.8~0.9ミリほどの分離浮性卵が、約30時間ほどで孵化をします。 👀
 産まれたばかりの稚魚2ミリほどで、卵黄囊の栄養でしばらく過ごし、8ミリほどにまで育つと今度は、砂浜の波打ち際やら、河口域の辺りでプランクトンなんかをお召し上がりになりながら、ゆらゆらとお暮らしになります。

 1年で12センチ、5年で26センチ、9年で40センチほどの大きさへと成長をしていきますが、同じような生態に見える真鯛よりも成長は遅いのだそう。 (゜_゜ )

 河口で暮らしているからこその、環境的能力が高さ故に、わりに何でも口にしてしまうという・・・黒鯛さん★
 真夏になると、「スイカで釣る、パックン釣り」なんてモノまでありまして、まぁ何てお手軽。 😅

 そして実は、黒鯛さんも出世魚なんだそう。 👀
 関東では、チンチン、カイズ、クロダイへと変わっていきますが、これが関西になりますと、ババタレ、チヌ、オオスケとなるそうです。

●そして、真鯛もそうなんですが★

 黒鯛さんも、性転換をされるというお魚・・・。 (^▽^;)
4~5歳になると、オスだった黒鯛さんの卵巣が発達して、メスになるんだそうですよ★
 また、雌性ホルモンが少ないお方はメスにはならずに、生涯をオスとして、雄々しく生きていかれるのだとも、資料に・・・。 (‘_’)

 ちなみに真鯛の方だと、メスからオスに変わるんだそうですが、  一見似ていても、やっぱり色々と違うんだなぁ~・・・という処でしょうか。
 それにしても、ある日突然、性別が変わるというのは、やっぱり不思議な事ですよね★

●そんな・・・黒鯛サンなんですが。

 白身のお魚ゆえに、タンパク質がとにかく豊富です(!)
 そして含まれるカリウムには、エネルギーの代謝を円滑にするのはもちろん、高血圧予防にも一役買いますよー♡

 タウリンは、生活習慣病の予防にも繋がりますし、血中のコレステロール値は低くして下さいますし、抗ストレス作用なども。 👀
 ・・・これからまだまだ暑くなる季節、ありがたくも頼もしい味方です♡

●さて、ツルムラサキさんの方に参りましょう。

 1612年に出版された「多識編(医薬に関する書物)」に、「豆留牟良佐岐(つるむらさき)」と、その名が出たのが初めて。 👀
 それ以前はどうだったのかは確認が取れていないんだそうで、中国では古くから、その実を染料に使っていたそうでして、もちろん日本でもそうなんですね。

 お江戸は六代将軍、家宣の時代に生きていたという貝原益軒という人が書いた「菜譜(1704)」という医薬書で、食用にするのはもちろん、その実で紙を染めて使用していたなる記述もあります。 👀

●その一つは、こちら。

 奈良県は御所(ごせ)市にある、一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)では、神事に使われるという御幣(ごへい)を、その実で染色して使うのだそう。
 ・・・ちなみに御幣とは、「神に捧げるモノ」という意味なんだそうで、神社などで神様をお招きするための道具です。 👀
 細長い木や竹 ( 幣串 [ へいぐし ] )に、昔は布帛( 綿とか麻布とか )を挟んでいたのが、今では紙に変わったという「神祭用具」です。 (゜_゜ )

 一般的には色は白で、これで参拝者のお祓いをしたりもしますが、基本的には神社の社殿の奥深くに立てておくものだそう。
 神霊が依り憑く(よりつく)道具だそうで・・・って、私こと山野亜紀的なんですが★

 神社でよく見掛けてはいたけど、こんな名前でしかも、こんな役割があったとは・・・。
 いや、初めて知りました、恐るべし、和心きらり★ (^▽^;)
 さて、かの神社で使われているモノは、染まり立てはワインレッドのステキな色なんだそうですが、これって、すぐに色あせてしまうんだそうですよ。

●さてツルムラサキさんは、多年性の蔓草なんだそう。

 八百屋さんとかでしか見た事がなかったので、今回、初めてその畑の様子を見て驚いたのですが(!)
 ・・・ツルムラサキさんって、こんなお方だったのですね★

 日本では、先ほど紹介した染料のほかには、どちらかといえば観葉植物としての役割も多かったんだそう。 👀
 ・・・こんなにうねって、頑張れば4メートルほどの大きさにまで成長(!)
 春に種を蒔いて、朝顔のように行灯仕立(と、いうらしい★)にするのが一般的なんだそうですが、垣根に這わせて、(ゴーヤガーデンの如くに)日除けにしても良いのだとか。 ( ̄_ ̄ i)

 茎は赤紫色、今では品種改良も進んで食べやすくなったとも。
 夏から秋にかけては、葉腋から太くて長い花茎が出て、花弁のない地味~ィな花を、ブドウのようにたわわに付けるとか。 👀

 とにかく、一度芽が出たらどんどんと茎を伸ばして、勢いよく成長(!)
 どんなに芽を摘まれても平気というから、その生命力にはどこか、頭の下がる思いもする・・・私こと山野亜紀的であります★

●そんな・・・ツルムラサキさんなんですが。

 含まれるカリウムには、高血圧やむくみ予防に。
 さらに疲労回復のビタミンBに食物繊維、亜鉛や鉄分も多いので、貧血予防にも♡
 そして、ほんの少しですがゲルマニウムも含んでいて、これは血行を良くしてくれるのはもちろん、老化予防の効果までも期待されております♡

 ちなみに中華ではよく、炒めて食べるんだそうですが・・・このツルムラサキ。
 あまり茹ですぎると、逆に苦くなったりして、食べにくくなってしまうそうで、とにかく、さっと湯がくのがコツだとか♡
 ぜひぜひ、今年の夏はたくさん取り入れて、この暑さを乗り切って参りましょう。 (〃∇〃)
 (2016.7.1 文責・山野亜紀)


 〇2016年7月のお膳

第38話 静岡藩って、あったのね。(2016年7月)

○パイナップルとヨーグルトのゼリー

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