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第16話 「人生、50年と言いますが(?)」(2014年9月)

●ゲリラ豪雨に加えて台風、2014年の9月には、関東には何がしかの災害が起こるやも(?)

 ・・・と何だか、不安によろめきそうな昨今ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 さて今回は、2014年の大河ドラマ「軍師・官兵衛」の放映で、いよいよ織田信長の「本能寺の変」を迎えるといった当時のお話です。 👀

 林邦史朗流の殺陣クラスでは、毎週水・土曜日に稽古があるのですが、時節柄、やれ「今年の信長は、どうやって死ぬのか」とか。
 そんな話をしていた時に、ふと・・・私こと山野亜紀が気付きました。
「そういえば、人生50年~♪・・・の敦盛って人って一体、どんな人だったのかなぁ・・・???」

●・・・皆様ご存知かと思いますが、「調べ物と歴史の話は、からっきしダメ(!)」な私です★

 ところが、私こと山野亜紀の殺陣の稽古仲間で、今は殺陣指導はもちろん、林先生の助手を務めている中川泰幸さんは違います。 (-“-)

 なにしろ、趣味は古戦場巡りとお城巡り。
 ヘタな歴史の先生の授業より、中川氏の話を聞いていた方が、数十倍も判りやすいというのは、稽古仲間の談。 👀
 まるで、その・・・さも見てきたかのような状況説明と、旧友を話すような人物解析♡
 物語を聞くような感じの語り口調なので、まるでマンガを見ているかのように、すらすらすら~♪と頭の中に入ってくるんです♡
 出来れば中学・高校時代に、こんな先生に私は巡り合っていたかったです。 😅💦

●そんな中川氏が言う事には、「敦盛ってたしか、平敦盛のことじゃなかったっけ?」

 たいらの ・・・といえば、出生は平家ですよね。 (゜-゜)
 信長は戦国時代の武将だから、その頃には「平家の時代の話が、物語か謡になって」いても、おかしくはない・・・??? 😅💦

「・・・たしか、敦盛が逃げようとしてる処を熊谷直実が・・・」
「おぉ出てきた(!) 熊谷のシンボル直実!
 ・・・とまぁ、稽古場は沸いたんですが、熊谷直実(くまがい・なおざね)というお人がいたからこそ、埼玉県は熊谷市は、その名前になったのだとか★ 👀
 「秘密の県民show」という番組で、「直実節という踊りは、熊谷にすむ県民なら誰でも踊れる」というくらい、直実さんは県民からリスペクトをされている・・・なんて話もあるくらいです。 😅💦

「うん、だから直実が一の谷の合戦で敦盛を捕らえて、首を撥ねようとはしたんだけど。
 よく見たら、自分の子供と同じくらいの年齢だったから、ふと可哀そうになって逃がしてやろうとしたんだって。
 そうしたら逆に、敦盛の方が「やってくれ」と言っちゃうし、仲間も来ちゃうしかなんかで、仕方なく首を撥ねた、っていうような話だったよ。
 たしか笛の名手かなんかだと思ったけど」
 とは、中川氏の談。
 ・・・いや、さすがですね。 (〃∇〃)
 そこで私こと山野亜紀、ちょっとこんな疑問を口にします。 😅💦
「・・・でもでもさ、そんな子供くらいの年だったのなら、人生50年は生きられなかったんじゃないのかな?」
「だから多分、敦盛ってのは辞世の歌とかじゃなくて、誰かが敦盛を思って作ったモノなんじゃないかな?」

●へ~え、そんな話なら、今度「時代劇エッセイ」でネタに詰まったら書いてみよう~♪ なんて思っていたんですが★


 ・・・はてさて。
 テレビや映画でもよく、本能寺の変の折に信長が、「人生50年~♪」と舞い踊っておりますよね。 👀
 この為に役者さんは、能楽師の方から指導を受けたりするので、私こと山野亜紀も、もれなくこれはずっと「お能の楽曲だ」と信じておりました。 😅💦
 ・・・ところがっ(!!)
 歴史を紐解いていくと、本物の信長が舞っていたのは「幸若舞(こうわかまい)」というモノであるらしいのです・・・っ!
 さて、「幸若舞とは、一体何ぞや(!)」

●日本の芸能の走りは平安の頃であるとか、もっと古くからとも申します。

 農耕民族なだけにやれ、田楽であるとか。
 神を祭るなら神楽、猿楽なんてのもありまして、その猿楽を極めて能楽に仕上げたのが、かの有名な観阿弥・世阿弥の親子ですよね。 👀

 時代でいうなら、南北朝から室町時代にかけてのことだとか。 👀
もともとの猿楽というのは、滑稽なモノマネや言葉芸が主だったそう。
 ・・・で、それを歌舞劇にしてのがと呼ばれるようになり、滑稽な笑いを中心にした狂言とセットで催されるようになったのは、皆さまもご存知の通りです。 (〃∇〃)

●・・・それでは幸若舞はどうなのかといえば、出生は、室町時代の後期(!)

 桃井直詮(ももい・なおあき)という人が当時にいたんですが、その幼名が幸若丸(!)
 声明(しょうみょう)平曲(平家琵琶)なんかの曲折を取り入れての、創始だったのだとか。 👀

 佇まいは写真のごとくに、烏帽子と直垂を着て、鼓に合わせて謡い舞うスタイル。 👀
 ・・・桃井さんが室町時代の産まれな故か、その楽曲はと言えば、武家を題材にしたものが多いんだそうで、特に平家物語や義経記、曽我兄弟の辺りの作品が多いそうなんです。

 もともと、この桃井さんは「幸若系図」によると、源義家さん(八幡太郎の別称で有名・平安後期の源氏の武士)から12代くらい後の血筋の方のよう。 👀
 越前国は、丹羽郡西田中村に住んでいたんだそうですが、父の亡き後に、比叡山の稚児になったんだそう。 Σ(・□・;)

 この「稚児」というのは、寺社や神社なんかで祭礼や法楽の折に、美装して行列する者のことで、桃井さん。
 ・・・産まれつき歌舞音楽に優れていたとかで、草紙に節をつけて謡っていたのが評判になり、その幼名からその舞が、「幸若舞」と呼ばれるようになったんだそうです♡ (〃∇〃)

●かような訳で、越前で発祥をした・・・この幸若舞なのですが★

 それからは、かな~りな紆余曲折があって、今度は招かれて、九州は大江(現在の福岡県みやま市)に、その一流派(大頭流)が移り住むことになり、舞が柳川藩の家臣達に伝えられていきます。 👀
 ところが、明治維新を迎えると越前・大江ともに衰退をして、越前の地ではこの舞は・・・絶えてしまうんですが★
 大江の方にはまだ、その舞を伝えている者がいるそうです。 (*^▽^*)

●信長が謡い舞っていたのはどうも、この越前幸若流の「敦盛」だったよう。 👀

 信長の家臣で、メモ魔だったと誉れ高い大田牛一の書き遺した「信長記」にも。
 ・・・彼はその当時、本能寺にはいなかったのだそうで、逆に生き残っていたからこそ、この書を書けた訳なんですが。 😅💦

 信長活躍の切っ掛けになったと言われている桶狭間の戦いの折には・・・傍にいたようで。
 戦いの前夜にこの敦盛の一説を信長が謡い舞い、陣貝を吹かせ、具足をつけて、立ったまま湯漬けを食した後に甲冑を付けて、出陣したなる記述があるそうです。 👀

●この「敦盛という曲」は、幸若舞にはもちろんのこと★

 日本の名だたる「平家物語の一説」にも謡われていて、能楽やら、浄瑠璃にも。
 そして、歌舞伎にまでも取り入れられているお話なのですが(!)

 それぞれに・・・お話の細かい部分が違っていたりとか(直実の子供が若くして死んでいたとか★)
 はたまた、タイトルが違っているであるとか、そんな些細な事はあるそうなんですが。 😅💦
 敦盛が若く、笛の名手でもあって、直実と一騎打ちをして負けてしまい。
 ・・・敦盛の首が撥ねられて後年、直実が出家した辺りまでを表しているようです。 👀

 直実はなんでも、もともとは平家所縁の家に産まれた侍なのだとか。 👀
 ところが、父親が早くに亡くなってしまったので養子に入り、そちらでも平家の方に付いていたので、まずは平家に仕えることになり。
 ・・・それから思う処あって、源氏の一派となって結局(!)
 また更に更に思う処あったのでしょうか・・・。
 かの有名な「阿弥陀教の教えを説く法然」に、意を決して弟子入り(!)
 蓮生(れんせい)という名前を与えられて、以降は各地にお寺を建てたりした生涯だったのだそうです。 (‘_’)

●この敦盛は、「直実が出家した折に、世をはかなむ詞章を記した」ものだそうで、その一説を信長が特に好んで演じたていたそうです。

人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ

 敦盛を討った事ばかりが、出家の原因ではない・・・とは思いますが。 (>_<)
 「念仏を唱えれば、救われる」と法然さんに説かれたから・・・であるとか。
 はたまた一説には、自らの死期を知って、本当に念仏を唱えて事切れたなんてお話までもあります。 👀

 自生を全うするというのは、人に与えられた一生のテーマのように思えますよね。 👀
 うーん・・・、そんな一生に自分が出来るモノなのか(!)
 悩んでみたりもする・・・今日、この頃なのであったりもして。 😅💦
 (2014.9.1 文責・山野亜紀)


 〇2014年9月のお膳

〇さつまいものオレンジ煮

☆「流れ流れてサツマイモ、カボチャもそうだね、小松菜どこから、日本人」~長月の旬(2014年9月)

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