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〇お麩のかりんとう

物売りが練り歩く、お江戸の町並み、景気いいやね
あめ玉、けん玉、お面売り、どれを買おうか、これにしようか、
今日のおやつは甘くてうれしい、お麩で作ったかりんとうだよー。

  • ★作りやすい分量で、ご紹介をしています。
  • 小町麩・車麩など‥‥‥合わせて25g
  • 黒糖‥‥‥40g
  • 水‥‥‥20ml
  • 揚げ油‥‥‥適量
  1. 油を180度に熱し、お麩を数分揚げる。
  2. うっすらと色づき始めたら、引きあげてキッチンペーパーで油を切る。
  3. 小ぶりのフライパンなどに、黒糖と水を入れて火にかけ、細く糸を引くまで煮詰める。
  4. 糸を引くようになったらすぐに火から下ろして、のお麩を加えて、全体に絡める。
  5. 網などにのせて、冷まし固める。

●室町時代の初期頃には、中国から伝来していたという・・・お麩です。

 ちなみに、お麩にも色々と種類があるそうで。
 日本に初めて上陸したのは・・・生麩(きぶ)と呼ばれるモノであったそう。 (゜_゜ )
 お麩は小麦粉で作られているんですが、江戸時代に入るとふすま・・・(つまり小麦粉の皮クズ★)でも作られていたとも、資料にあります★

●さて、これなる材料に水を加えまして、団子状に捏ねたらそれを・・・水中で揉んでいきます。

 すると、でん粉だけが流れていって、グルテンが主成分の・・・粘り気のない固まりだけが残ります。
 これが「生麩の状態」なんですが、煮るとすぐに千切れてしまうのだそうで、調理がしにくいのが難点だったらしいんですよね。 (-_-;)

 精進料理
と共に発展を遂げたという・・・お麩なんですが。
 上記の状態では、あんまり宜しくなかったそうなので、生麩にまた・・・少量の米粉であるとか、小麦粉などの穀粉を練りまぜて作られたのが、現代のお麩なんだそうです。 👀
 ・・・こちらはお江戸は八代、将軍吉宗の時代(1725年頃)に考案されたモノなのだそうですよ。

●はてさて、それからは種類も増えまして、幾種類ものお麩が「お江戸の料理書」にも登場を致します。

 揚麩に粟麩(あわふ)、うどん麩に・・・きんかん麩、すだれ麩、ちぎり麩、ちまき麩などがありまして。
 他には・・・ちりめん麩に包み麩、苞(つと)麩に土佐麩、揉み麩・・・などなど。
 生麩を焼いたという焼き麩に、よせ麩というのもあるようです。 👀

 またレシピで言えば、お酒だけで炊き合わせたという「酒麩なる一皿」や、お豆腐やら山芋、白玉粉と混ぜて炊き合わせたなる「思案麩」などなど。
 とにかく現代でも「飾りとして楽しまれるお麩」だけでも幾種類もあるようで、土地土地で愛されているモノであるようです。 (^_^)v

●さて、お麩さんなんですが。

 もともとが、小麦粉を水で練って、それを丸洗い(!)しているようなモノなので、あんまり栄養がなさそうに感じられてしまうのですが、実はそうでもないよう。 👀
 小麦粉はグルテン、その栄養素であるタンパク質は小麦粉なので・・・植物性のそれですし、ナトリウムにカルシウム、鉄や亜鉛などのミネラルも含まれています。 (゜-゜)

 また、お麩はよく「精進料理で、お肉の代わりに使用される」事も多くて、少量で満腹感が増すのでダイエットにも良い・・・との記述も見掛けます。 👀
 ・・・そしてアミノ酸の一つでもあるプロリンが多くて、こちらはコラーゲンの合成を促進っ!
 美肌や、角質層の保湿にも効果があるそうです♡

●はてさて今回は、そんな・・・お麩で作られたお菓子、かりんとうのご紹介です。

 「まずはお麩を揚げて、ぷくぷくの状態で楽しむ技法☆」というのは、こうしてのお菓子使いだけではなく、お料理としても楽しまれていたようなんですね。 👀
 冷めてもその「ぷくぷく度を保つため」にと、揚げ油自体に木蝋(もくろう)を加えるなどして工夫したとも、資料にあるのですが・・・。 👀

 この木蝋というのはちなみに、ウルシ科であるハゼノキや・・・ウルシの果実をまずは蒸しまして!
果肉やら種の油で取ったという油分のことを意味し、これを「和蝋燭の仕上げ」として使ったり。 👀
 髪に付けで使うやらはもちろん、とにかく油分(!)なので様々な物の艶出しに、または膏薬などの医薬品としてに、化粧品としても活用をされているんだそうです。

●これ、明治の頃までは、大活躍!をされていたという代物なんですが・・・実は今でも使われているのだそう(!)

 特に・・・激しい体当たりを繰り返す「お相撲さんの髷を結う、鬢付けとしては有名」で、あれほどの活動をしても崩れず(!)
 その形を維持して下さるという木蝋さんは、ジャパンワックスとも呼ばれているそうで、今でも・・・ヨーロッパやアメリカへの輸出が続いているそうです。 👀

 ・・・話がちょっと逸れてしまいましたが、お麩さん。
 ホントに昔から日本で愛されていた食材で、とにかく高タンパクで低脂肪
 色も形も様々でキレイですし、残ったお麩は・・・そのままお汁に入れるなどしても良いのですが。 👀

 例えば、水やお湯につけて柔らかくもどしてからの・・・お楽しみ♡
 野菜と炊き合わせてみたりも良いですし、和え物にしてもまた・・・イケルのだとか。

 でもやっぱり、かりんとうって懐かしいアイテムですよね♡
 黒糖の甘さが、じんわりと効きます。
 ぜひぜひ、お試し下さい。 (^_^)/

 (2018.4.23 文責・山野亜紀)
 (料理・器/清水紀子)


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