Loading

☆「初鰹(!)空豆は安土桃山、日本人」~皐月の旬(2015年)

●カツオは、「魚偏に、堅(かた)い」という文字を当てるのが、今では一般的でしょうか。

 よく「お寿司屋さんの湯呑」に、たくさんの魚の名前が書かれていますよね。
 あそこにも「鰹」とありますが、その他にも昔は「松魚(かつお)」とか。
 古くは、「堅魚(かたうお、とも)」という文字を当てたりしたそうです。 👀

 さてカツオさんは硬骨魚で、スズキ目は、サバ科の海水魚。
 春から秋にかけては黒潮に乗って、太平洋岸を威勢良く、ぐぐっと北上(!)
 相模灘に差し掛かるのが丁度、青葉の頃なので、
 「目に青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」
 ・・・な~んてお江戸の頃の俳句も、そのお姿は詠まれていたようです。 👀

●さてカツオさんが産卵をするのは、日本では春の1回だけなんだそう。

 ・・・ところが、赤道の辺りに棲んでいるのは周年で行っているらしい★ (^_^;)
 そして大型のモノは、1メートル程にまでも生長(!)
 体重が18キロ程にもなるそうなんですが、漁獲されているのは50センチ程度のモノが多いんだそうです。 👀

 体は紡錘(ぼうすい)形で、尾ヒレ以外のヒレが小さく。
 ・・・そして、私こと山野亜紀はここで驚愕!!
 「魚のウロコは、全身にある(!)」と思って長らく信じていたんですが、カツオさんの場合は・・・なんと(!)
 「目の後ろから、胸ヒレにかけて」と、側線の辺りにだけ(!)
 ・・・側線って、魚にとっては「身体の両側に並んでいる線状の感覚器なんだそうで、これで水流や水圧を感知する」そうなんですが★
 まぁまぁ、ウロコ一つとってもホントに魚ってよって様々なんだなぁと。
 しきりに関心をしたもんです。 (^^;;

●さてカツオさんは、基本的には熱帯や温帯海域に多く生息。

 なので、日本では太平洋側に多く棲んでおられますが、日本海側となると、まれなのだとか。 👀
 ・・・そういえば「鰹漁の基地」も、鹿児島県の枕崎や高知、千葉は勝浦や、北は三陸沖とかですよね。

 摂氏19~23度くらいの温かい海がお好きだそうで、日本近海だと黒潮に乗って春には北上。 👀
 秋の頃には三陸までお渡りになり、そこから今度はUターンして南下するんだそうです。
 ・・・寒い処は、苦手なんですねぇ、カツオさん。 (^_^;)
 なので、初鰹と呼ばれる5月の頃のカツオは味もまだ若くて、さっぱりしていますが、にもなれば今度は、お腹に太い脂の層を巻いて育っているので、こってりとした味わいに。 (^-^)

 こちらは、皆さんご存知の通り、「戻り鰹」と呼ばれます。
 現代では、鰹は2~3月には、沖縄の八重山とか宮古の辺りに現れ。
 7~8月頃には、三陸沖まで移動をしていきます。
 漁法としてはもちろん網もありますが、土佐の一本釣りは、超(!)有名ですよね♡

●さてカツオさんは肉食で、食欲は旺盛☆

 「産まれたばかり」だと、お召し上がりになるのはもちろん、プランクトン。
 なのですが、ちょっと大きくなってくると今度は、小魚はもちろん、甲殻類や頭足類(アンモナイトや、オウム貝の類★)などなど、積極的に召し上がって大きくお育ちになります。 👀

 また、流木やクジラ、ジンベイザメの周りに群がる性質もあるそう。 👀
 ・・・これは、カツオが身を守る為であるとか、はたまたカツオが集めた鰯を、こういった方々がお召し上がりになるからだとか★
 所説はあるそうですが、猟師さんはこれを目印にカツオ群を見付けるんだそうです。 (゜-゜)

●ところで「江戸の頃には初物好きフィーバー♡があった」事は、皆さん、ご存知ですよね。

 特に江戸っ子は、カツオさんをとっても好んでいたのは有名ですが、これも鎌倉時代の辺りまで遡りますと、
「カツオは、食べ過ぎると身体に瘡(できもの)が出来る
 と言って、嫌われていたみたいです。 😅💦

 今でもカツオは、お寿司屋さんでは「足が速い(鮮度が落ちやすい、腐りやすい)」とかで、余り扱いたくないと仰るお店もあるそう★ ( ̄▽ ̄;)
 鮮度が落ちてしまうと、ヒスチヂン(という名の、赤身の魚が持つというビタミン★)が、魚に付着しているバクテリアと合体(!)
 力を合わせて、かの有名なアレルギー物質ヒスタミンへ変ってしまいます・・・★

 こちらは花粉の季節に、さかんにテレビでお医者さんやら、薬屋さんが叫んでいる、アレですね。 (T ^ T)
 食べればアレルギーを発症、蕁麻疹やら、中には吐き気を起こしたり、むくんだりする方もおられるそう★

●今も昔も、5月になればカツオは・・・相模灘というか、鎌倉沖にまでやってきます。 👀

 現代では冷凍技術も進みましたが、鎌倉以前の頃なら、鎌倉から江戸まで持ってくる間に、カツオはけっこうにヤバかったかも★
 ・・・実は冷凍されている間にも、このヒスチヂンはバクテリアと融合(!)
 合体を繰り返すものらしいですから、昔も今もやっぱり「カツオは獲れたら、イキが良い内に即食べが鉄則のようです。 ( ̄_ ̄ i)

 さてカツオさんは刺身はもちろん、煮漬けで食べたりもしますが、漁獲されたモノで一番多く使われているのは、やっぱり鰹節かと思います。 👀
 今や和食は文化遺産、鰹節の需要ももはや、世界的規模では???
 ・・・この鰹節日本独特の食品(?)とも言われてますが、その歴史はとにかく古くて、日本最古の歴史書である「古事記」にもその名が見えるとか★
 当時の鰹節は、だし汁というよりは「保存食としての価値が高く」て、戦国の世の兵士の重要な食料でもあったそう。 (゜-゜)

 カツオを煮て、ただ干しただけの鰹節が、今のような黴(かび)付法の鰹節になったのは、四代将軍・家綱の頃
 1674年に、紀伊の甚太郎さんという方が、土佐浦にて「燻乾法による鰹節の製造を始めた」と、資料にあります。 👀

 また、カツオの内臓で作る塩辛を、「酒盗(しゅとう)」と言いますよね。
 4~5キロのカツオだと、50gくらいの内臓が取れます♡
 これを猟師さんや加工業者が塩辛にしたそうで、なので逆に・・・カンタンに作れそうなんですが、自家製ではあまり作られる事はないのだとか★

 時の土佐は・・・十二代の殿様であった山内豊資がこれを食した折に、
「いやまぁ、これを食べたらまた、酒がいくらも呑めるなぁ~」
 ・・・と呟いた事から、この名が付いたとも★ (〃∇〃)

●こんな・・・カツオさんなんですが、さすがは赤身の魚、体の1/4が良質のタンパク質(!)

 この「タンパク質の旨味成分」は、かの有名なイノシン酸です。
 また、脊髄に近い血合部分には、ビタミンB12やらナイアシン、鉄分やタウリンが多く含まれているので、それを食べれば貧血予防にも♡
 そして皮の部分には、人には必要な、でも決して体内では作れないアミノ酸のリジンが含まれているそうなので、銀皮造り(カツオの皮付きの、生のお刺身)は、理にかなっているんだそうです。 👀

 気になる脂についても、DHAやEPAですから、生活習慣病予防にも効果あり(!)
 脳神経の働きもビタミンが助けて下さり、血行は良くなるし、含まれているビタミンDには骨粗鬆症にも効き目があります♡
 ・・・どんな調理法でも美味しく食べられるカツオさんは、食卓には是非にも取り上げて行きたいお方です。 (^_^)/

●さてもう一つの旬食材、空豆さんの方にまいりましょう。

 莢が空に向かって真っ直ぐに伸びることから、この名が付けられたと言われている・・・空豆さんですが、大きめの莢なら「その中身は2~4個ほど」★
 ・・・ホントに、「高価な割には、莢ばっかりで中身が少ない」とは、亡くなった私こと山野亜紀の母の繰り言の通りですね。 😅💦
 店頭に並んでいるのは、豆がまだ未熟なうちに出荷されたモノなんだそうです。

 豆が完熟をすると今度は「種実用」として乾燥をさせてからの、おたふく豆やら、煮豆へと加工をされます。 👀
 食べ慣れたお惣菜へと進化をする訳ですが、日本には安土・桃山の頃にそら豆さん、中国を通してやって来られたようです。

 ただ当時はまだ、上記の写真のモノよりも豆が小粒だったそう(!)
 なので豆を食べるというよりも、「莢ごと食べる、サヤエンドウの空豆バージョン」で日本では馴染まれていったようです。 👀

●そら豆さんの「豆の熟れ方がちょうどいい」のは、ホントにたった3日程度なんだとか★

 そんな・・・息の短い空豆さん、今ではビニールハウスなどの技術の発達と共に、楽しめる期間も伸びました♡
 土地土地によっては呼び名も変ったり、使われている文字も「胡豆」だったり、莢の内側が蚕の繭に似ている事から「蚕豆」と書いては「そら豆」と読んだり★
 ・・・居酒屋なんかでは、天豆と書く処も。 👀

 伝わって来るのは遅かったけれども、普及するのは早かったという・・・そら豆さんなんですが、関東から北では寒くて成長が出来ず★

 小粒種大粒種が今もあって大粒のイッスンソラマメ(スーパーなどで、よく見掛けるサヤ付きのモノ★)は、大阪は河内の名産品♡
 逆に炒って「はじき豆」にする小粒種は、お江戸の六代将軍・家宣の頃に生きていた貝原益軒という人が書いた「大和本草(1709年)」にも。
 奈良県は大和や河内の辺りでは、これを朝の茶粥に入れて嗜むと書かれています。 👀

 ・・・上記の書物には、多くの和漢の薬草や食べ物などの紹介はもちろん、来歴やら形状、効能までも紹介をしている書物なんだそうです。 (゜-゜)

●そら豆さんは、一升辺りで大粒だったら380粒

 小粒なら、850粒に相当。 👀
 秋に種を蒔いて、3~4月に花を咲かせたら、収獲は5月くらいから♡
 50センチ程にまで育つそうですが、実のなっている様子は、なんとも元気なお姿ですよね。(^-^)
 10~30センチ程の莢に育って、2~4個くらいの実を付けるそう。 👀

 ところで「煮豆の商標」なんですが、大粒なら「お多福豆」で、小粒なら「富貴豆」。
 西洋では主食扱いの・・・そら豆さんなんですが、日本ではお米が主食なのでオカズ扱いに。 👀
 完熟、未熟な内に楽しむのはもちろん、若ければ莢ごとでも楽しめます♡

 そんな・・・空豆さんなんですが、とにかく食物繊維が豊富(!)
 含まれるレシチンには、血液中のコレステロールを減らして下さったり、脳細胞までも活性化♡
 またカリウムが含まれていて、こちらは高血圧予防に、また貧血の予防に効果のある葉酸も多く含まれています。
 HPなどで見ると、「塩茹でして、どうぞ」と良く書かれてますが、莢ごと焼いた方が絶品です(!)
 ぜひぜひ、お試しください。 (^_^)/
 (2015.5.1 文責・山野亜紀)


 〇2015年5月のお膳

◎5月のお膳+お弁当☆(2015年)

第24話 「まいりました、鰹さん★」(2015年5月)

関連記事

  1. ☆「鱈、たらふく(!)ブロッコリーは今だよ、日本人」~霜月の旬(2015年)

    2015.11.01
  2. ☆「やって来た!玉ねぎ明治だ、日本人」~卯月の旬(2016年)

    2016.04.01
  3. ☆「春はセリっ、身欠きニシンで、日本人」~如月の旬エッセイ(2018年)

    2018.02.28
  4. ☆「跳ねたぜ、飛魚100メートル!モロコシ信長、日本人」~葉月のエッセイ(201…

    2016.08.01
  5. ☆「鮟鱇も?ワラビと一緒だ、日本人」~如月の旬(2016年)

    2016.02.01
  6. ☆「愛されてるアジだよね!イキな枝豆、日本人」~文月の旬エッセイ(2017年)

    2017.07.31
PAGE TOP