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☆「出世する?ブリと大根、日本人」~師走の旬エッセイ(2017年)

●西では「年取り魚」とされている・・・ブリさんなんですが。

 こちらのお方は「出世魚!」でもある事は皆さま、ご存じかと思います。 (^_^)/
 関東なら、稚魚の折にはモジャコと呼びまして、1年(32センチ程度)まで育てば今度は「ワカシ」と呼ばれます。 👀

 それが2年目になると50センチほどになりますが、そちらを「イナダ」と呼びまして、3年目で65センチ(!)で「ワラサ」に。
 80センチを過ぎれば、今度は堂々と「ブリ!」と名乗れるようになるのだそうですが、それには4年以上の歳月が必要なんだそうですよ、へ~え。 👀

●ところでブリさんは、養殖も盛んですよね。

 能登半島やら房総半島以南でブリさん、水温20度くらいの処で産卵を致します。 👀
 そして48時間ほどで孵化をするのですが、そこは、・・・流藻かなんかに寄り添いながら★
 プランクトンなんかをお召し上がりになりつつも、数センチほどにまで育ったところを、 養殖業者が捕まえては、各々の生け簀で育てるのだそう★ 😅💦

 ちなみに「ブリさんの養殖」が盛んになったのは、1960年頃からなのだとか。 👀
 養殖モノは、1年ほどで出荷をしてしまうんだそうですが、天然物と区別をするために「ハマチ」とこれまでは銘打っていたのだそうですが。
 ・・・昨今では、5キロ以上のモノ「養殖ブリ」と称するようにも、なりました。

●はてさてブリさん、日本では一体、いつの頃から愛されて来たのでしょうか。

 資料によりますと、織田信長とかが活躍をしていたという戦国時代以降に、北陸の方で「台網(だいあみ)なる漁法」が発展をしていきます・・・。
 これでブリさん、北の方ではよく揚がるお魚となったのですね♡ (〃∇〃)

 ちなみにブリさん、「アジ科の回遊魚」・・・なんですが★
 たまに偏屈さんがいらっしゃるようで、瀬付きのお方もおられるのだとか。 ( ̄_ ̄ i)
 そんなこんなで、ブリさん。
 「三枚に下ろしては塩蔵」して、藁苞で巻いての「縄巻鰤(能登)」にしてみたり。

 背開きしては、今度は内蔵を抜いてからの塩漬け、日に干しての「塩乾鰤(三河・加賀・志摩)」にしてみたり・・・などなど。
 愛され方も様々ですが、西の方ではブリさん、縁起が良いお魚とされておりまして、お正月用によく用いられたのだと・・・言いますが。

 では、ぜんっぜんっ、そんな事はありませんで。 😅💦
 ・・・それは、強い脂のせいなのでしょうか・・・?
 魚介としては、下の下な扱いで、なんて手ひどい仕打ちなのかっ。 (>_<)
 「お魚番付」で肩を並べるのは、黒鯛はまだ、ともかくとして。
 生鯖にマグロ、ドジョウと並んでいるというのが・・・真実であったよう★

 ・・・ホントにお江戸の人たちって、ガテンな職人さんが多かったわりには(!)
 しかも、天ぷらとかが好きだったわりには(!)
 お魚だけは案外、サッパリとした味がお好きだったんですねぇ、へ~え。 ( ̄_ ̄ i)

●そんな・・・ブリさんなんですが★

 不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)も、豊富に含んでおられますっ。
 なんでも、「寒い海中を行くお魚さんの持つ脂肪分」というのは、動物系に比べると、わりに固まりにくいんだそうねんですね。 👀

 EPAには、血液中のコレステロールを下げてくれるパワーがあるので、血液サラサラ効果が見込めますし。
 対する(?)DHAの方には、これまたコレステロール値を下げて下さるのはもちろん、脳細胞の成長を育成(!)
 ボケ防止にも、効果あり♡ (^_^)/

 ・・・ただこれらには、酸化をしやすいという難点があってしまうのですが(!)
 ブリさんにはまた「抗酸化作用ある、ビタミンEが含まれている♡」といいます。 👀
 なので「ビタミンCを含んでいるお野菜と一緒に食べる」と、そのパワーを持続して下さるんですよねぇ~。o(^▽^)o

 ブリさんと、ビタミンC一杯のお野菜との組み合わせ♡
、そこには力を入れていきたい処です。

●そしてブリさん、代謝を促すと言われているビタミンB群☆や、タウリンも多く含んでおられます。

 こちらには疲労回復や、動脈硬化までもに効果があります。 👀
 またタウリンってのは、血合いと呼ばれる「背骨に近い赤黒い部分に多い」ので、気になる方はこちらを積極的に摂取すべしっ!

 昔は、東のお節には鮭、西なら鰤(!)だったそうなんですが、今はどこのご家庭でも東西の差別なく、お好みで整えておられるかと思います♡
 季節の味をしみじみ、精一杯活かして、健康にも役立てたいものです。 \(^_^)/

●さて、もう一つの旬食材「大根さん」に参りましょう。

 「春の七種」でも名乗りを上げている冬のお野菜の代名詞でもある大根さんです。
 大根さん、実は種類もけっこうにあるそうで、その原産地は例えば、地中海沿岸の辺りである種類があったり、はたまた中央アジアが原産でもあったり。

 逆に、日本が原産ではないか・・・?と言われている品種までもあるそうなんですね★
 伝来についてなんですが、日本には中国から、弥生時代に伝来をされたとも言われていたり・・・などなど☆
 色々説はあるみたいですが、とにかく古来から、日本にはあったとされるお野菜のようです。

●なにしろ、「日本書紀」にすら、その名が見えます!

 かの有名人(?)仁徳天皇の歌にも、「於朋泥(おほね)」という名前で登場をされておられますし。
 ・・・ちなみにその名の由来はといえば、「大きな根」から「おほね」→「おおね」→「大根(だいこん)」と呼ばれるようになったとも★ ( ̄_ ̄ i)

 ちなみに、この「大根」という文字は俗字なんだそうで、本当はこんなに小難しくも「蘿蔔(らふく)」と書くんだそうです。 (^_^;)
 とにかく、この大根さん・・・なんですが★
 日本に入って来た当時は、・・・何しろ形もまだ小さかったですし、美味しいものでもなかったのだと・・・資料にあります。 ( ̄_ ̄ i)

 鎌倉時代に生きたとされる日蓮上人さんが、信者の方に送っていた礼状にまでも、「大根は大仏堂の大釘のごとし(!)」・・・と、あります。
 ・・・大釘って一体、どんな味だと言うのでしょうか・・・★ (^▽^;)
 おいおいに品種改良が進んでいったのは、室町の辺りからだそう。
 種類も増えて、ようやく形も今の大きさにまで、なりました♡

●だいたい、もともとは・・・大根さん。

 生食や煮食をするのはもちろん、神様にもお供えをされてもいましたし、民間療法(写真下は、大根のハチミツ漬け)としても活躍をされておりました(!)

 食べ過ぎ飲み過ぎには、もちろんの事!
 美容や健康を始め、さらには熱さましやら咳止め、はたまた頭痛止めなどの薬用・・・などなど♡日本はもとより、海外でも古くから、野菜としてよりも、薬草としての活躍が大きかったようなんです。 👀

●また面白い処では、「一緒に食べると、食あたりを起さない!」とのことから。

 「あたらない野菜」としても重宝をされ、またその事から(!)
 下手くそな役者のことを「決して当たらない役者」・・・ということで、大根役者と呼ぶようにもなりました。 (^^ゞ

 ホントは、蕎麦や豆腐、魚介なんかに添えられるのは「毒消しの効果を狙って」の事なんですが★ 😅💦
 ちなみに大根さん、京都では、初冬の頃になりますが「大根焚きの行事」なるモノがあるそうですよ。 👀

 これは「中風(今でいう脳卒中)除け」を願ったモノなんだそうですが、大根の特に、皮の部分に「毛細血管を強くする、ビタミンP」が含まれているのだそうで。
 ・・・現代医療の点から看てもコレって、まったく効果がなかった訳でもないんでしょうねぇ、へ~え。 (‘_’)

●さて大根さんって、根の部分は淡色野菜に当たるのだそうですね。

 ちなみに葉っぱの方は、緑黄色野菜なんだとか。 👀
 なので、大根葉が付いたままでは・・・大根さん★
 「葉が、根の水分を吸収して、シワシワになってしまう★」ので、買ってきたらばまずは、葉と根を分けてから、それぞれを別々に保管をした方が良いそうです。 (゜_゜)

 葉の部分には、ビタミンやカルシウムなどが含まれておりますし。
 根の部分でなら、「ジアスターゼ」という「でんぷん分解酵素」が含まれているそうで、生食をしている折には、こちらが消化を助けて下さるんだそう☆

 ・・・また、根にある大根のあの辛み成分・・・「アリルイソチオシアネート(辛子油)」には(!)
 摩り下ろして酵素に触れると今度は、抗菌作用はもちろんの事、抗ガン作用にもなるのだ・・・とか。 ( ̄_ ̄ i)

●そして、・・・なんと(!)

 お江戸の頃では何と、「大根おろしは、味噌汁の具!」・・・にもなっていたというから、驚きですっ! (^▽^;)
 さて味噌の原料の大豆はと言えば、「戦国の世の頃では、軍馬の飼料」になっていましたっ!

 なので、平和になってから、ようやく(!)
 「大豆の生産が増加して初めて、味噌が作れるようになりました」という 下りは、この「和心エッセイのそこかしこ」でやら、「枝豆エッセイ」でも、ご紹介をしておりました。
 その・・・ようやくに、味噌が庶民にも普及をしてきて、わりと皆さん、ごくフツーに味噌汁を食べられるようになって、初めてっ!
 その具もとにかく、さまざまに試してみた・・・のであるとか★ 😢

 ・・・「おろし器」の方も、当時はまだ「皿状の陶器の表面に、細かい突起をつけたモノ」で大根をおろしていたのではないか・・・と、資料にあります。
 これはもともと、大根を擦るモノではなくって、その名も実は「わさびおろし」

 発祥は中国だそうで、もともとはショウガを摩る為に考案されていたのが日本に伝わり。
 ・・・わさびはもとより、大根までもおろしていたようです。 (^_^)/

●ちなみに「大根の細切り」を、「千六本(せんろっぽん)」とか言いますよね。

 これは実は「中国風の表記から来ている言葉」であるそう(!)
 ラテン語でなら、大根は「Rapha」と表していますが。

 中国でなら、漢字で「蘿蔔(ラフク・・・ちなみに北京語で言う処だと、ロープ・ローポ)」と発音し。
 ・・・千切りにした大根料理を、彼の地では「繊蘿蔔(センロフ)」と言っていたのが、日本ではこれがなまって、今では「千切りにすること」を「千六本」と呼ぶようになりました♡

 ・・・大根さん、なかなかに侮れないお方でありましたね。
 お江戸の頃の日本人が愛したのは、清廉潔白な三白料理、お米にお豆腐、そしてこの・・・大根さんでありました♡
 ついつい在り来たりで、見落としがちな・・・この方達ですが、しみじみと愛し、また新しい1年を祝おうではありませんか。 (〃∇〃)
 (2017.12.31 文責・山野亜紀)


 〇2017年12月のお膳

〇エビせんべい

第56話 山野家に神棚が来た日~元号~(2017年12月)

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