●先月(2015年7月)の挨拶を、見返してみました。
すると、7月も10日も過ぎたらようやくに、太陽が拝めた・・・と、ありました。
太陽が拝めたと思った途端の、この酷暑は一体、何っ!? (^_^;)
皆さま、いかがお過ごしですか?
さて今月の旬食材は、豚肉とインゲンです。
豚肉もインゲンも、この夏を乗り切るパワーを持った旬食材で、またまた発見の日々を過ごしております♡
●さて、「和心きらりHP」で食材と向き合うようになりまして、3年目になります。
旬食材エッセイを書いてみよう、という事になった切っ掛けなんですが★
「せっかく食べ物を扱うHPをやるのなら、レシピはもちろん、食材についても勉強出来たら良いかな~・・・」
という、自分の想いから始まったモノでした。
毎日、何気なく食べているモノの栄養や効能、そしてレシピを知ることができるなら、これからの余生が楽しく、健康に暮らせるわ♡
・・・な~んて、お気楽に考えていたんですが★
一応、エッセイを書くからには、素人ながら、正しい事をお伝えせねばとも思いましたので、資料も幾ばくかは揃えてみました。 👀
●一番の基本の資料は、やっぱり学者さんがお纏めになった書物です。
ところが食材によっては、有り余るほどの資料がのっている場合もあれば、全く無かったりと・・・その辺りが、困りものです★
蔵書で足りない部分は、もちろんインターネットでも調べます。 👀
ただネットだと、今一つ信憑性に欠ける場合があるので、たとえば今回の旬食材「インゲン」だったら、3箇所くらいは見て、全体の確認をします。 😅💦
確認をするなら、やっぱり学者さんの発表されている事を基本にしたいです。
なので一応、電子辞書も使います。 (^_^;)
昨今の電子辞書は、複数 辞書検索なる機能があり!
広辞苑、明鏡、ブリタニカ、食の医学に俳句、歳時記からも検索ができ、一つの言葉を入れれば、これらの辞書全部に引っかかって検索できるので、けっこうに便利で助かっています。
●また、私こと山野亜紀が勝手に信じて思っていただけで、実は全然違っていたという事も、しばしば★
魚の生態に驚愕したり、タコの知性におののいたり★
イカの頭が、実はこの部分だったのかっ!・・・と思い知ったり。 😅💦
スーパーで、何気なく見ていた食材が何やら最近、ずい分と身近に感じられるようにもなりました。 👀
また、スーパーでアジが丸ごと一匹で売られていたりすると、
「あら、これは色が黒いから、瀬付きのじゃなくて、沖合を回遊してるアジだわ」
・・・なんて、思ったり。 (^_^;)
パックでサゴシの切り身が売っていたりすると、
「あぁ、これは鰆の若い頃よね」
・・・な~んて、思うようにもなりました。 😅💦
鰆が出世魚だと知ったのも、「和心きらり」のおかげです♡
逆に言えば、この年までよくも、そんな事も知らずに生きて来たなぁ・・・なんて、思ってしまいます。 (^^;;
●食肉文化にしても、「和心きらり」では江戸レシピ、現代レシピと分けて発表をしています。
HPを始めた当初は、お江戸の頃は殆ど、日本人は肉食をしていなかった(!)・・・と、信じていた、私こと山野亜紀です★
ところが、調べてみるとドンドン(!)
お江戸の時代は長くて、約270年ほどにも。
そして、日本は狭いとは言いながら、地域によっては「牛肉をよく食べるお土地柄」もありました。 👀
また更に遡れば、織田信長や豊臣秀吉に使えていたキリシタン大名の高山右近は、陣中に牛肉を持ち込んでは、牛鍋で英気を養っていたなる史実にも、直面したりしました。 😅💦
一度に食べる量は少ないけれど、薬としての扱いだったという・・・日本の肉食。
彦根藩では、1687年から・・・というと、五代将軍・綱吉の時代から(!)
牛肉の味噌漬けを養生薬「反本丸(へんぽんがん)」と名付けて、お江戸の将軍家や諸藩に献上していたなる歴史も、知りました。
・・・これも、商品化までもしていたというから、驚きです。 ( ̄▽ ̄;)
●また「お膳のイメージ写真」も撮影をしてますが、一応のポリシーがあったりします。
それは、「お江戸の庶民の食事のイメージにしよう!」・・・と、いうもの。 👀
そうは言っても、お江戸の時代は約270年ほど。
頭があれば尻尾もあるしで、はてさて、どの辺りで手を打ってお膳写真を拵えて良いのかと、毎度頭を悩ませます。 😅💦
旬食材も、「和心きらり」で回数を重ねれば、全部が全部、お江戸の頃にあった食材でという訳にもいきません。 (^▽^;)
井田先生に、
「お膳の写真の献立が、全部同じ食材で良いんですか?」
と、聞かれた時もありました。 😅💦
・・・ただ「庶民の食事風景」となると、長屋での食事なら、棒手振りが売りに来るおかずくらいはあっても、そうそうは贅沢な眺めはない筈。 👀
同じ魚で刺身と茶漬け、なんて写真を撮ってもらっては、
「いえいえ、これが庶民の晩餐ですよ」
なんて言って、独りほくほくとしていたり・・・なんて時もありました。 😅💦
●さて今月の旬食材は、豚肉料理です。
一口に豚肉とは言っても、イノシシを家畜化しての品種改良。
牛や馬だって、今では掛け合わせての時代かと思いますが、14代将軍・家茂の時代(とはいっても、たったの7年!)では、お江戸にイノシシやブタ、シカの煮込みを食べさせる店が増えていき。
・・・庶民に人気があったのか、横浜には牛鍋店が出現しました(!)
この牛鍋店、評判が良かったのか、どんどんと増えていきました。
・・・それまで、禁じられていた食べ物でしたから、珍しモノ好きの江戸っ子なんか、こぞって食べに行ったのではないでしょうか。 (^▽^;)
明治7年にもなると、店に「上・中・下の等級」までも、出て来たとか。 👀
・・・なんでも、店先に旗を掲げているのが「上級店」。
中級だと提灯で、下級は特に書かれていないので、何も掲げていなかったのか★
明治9年には、「牛肉を好む者が増えて、屠殺場が多忙になった(!)」なる記事も新聞に出るように★ (^▽^;)
●大正5年になると、東京帝国大学の教授が「田中式豚肉調理法」なる書物を刊行(!)
牛肉の代用食としての、豚肉の効能を説きます。 😅💦
・・・日本人にとっては豚よりも、牛の方が歴史が長い分、庶民はこぞって食べたかったのかもしれませんねぇ。 (^_^;)
豚肉の加工品にも、日本人は果敢にも挑戦をしていくんですが・・・明治5年に、アメリカ人のベンスニさんから習って、初めてハム工場を作ったのが片岡伊右衛門さん。
その地は、長崎だったそうです。 👀
・・・その後、ぼつぼつとハム・ソーセージ工場が出来ていくんですが、明治の終わりにはもう、この長崎の他に北海道と神奈川が三大生産地となっています♡
神奈川の鎌倉ハムは、今でも有名ですよね。 (^_^)/
●その内、第一次世界大戦も始まり、日本はどんどんと軍国化していきます。
調べていて、ちょっと悲しかったのが、大正11(1922)年。
大戦が終って、日本には本格的なハムやソーセージが輸入されて来ました。
その味を知ってか、明治屋が政府の勧めを受けて、「ドイツ人捕虜から豚肉の加工技術」を習得。
この技術をもとに、明治食糧株式会社を設立します。
それからハムやベーコン、ソーセージの販売を始めたんだそうですが、なんか・・・。
ニッカウヰスキーのマッサンじゃないけど、、、
ご時世で、どうにもならなかったのかも知れないけど、「誰か日本人が、ドイツで修行をして・・・」なんて下りが欲しかったです。
捕虜の方から、習ったのかぁ~、、、 ( ̄_ ̄ i)
●さて、日本の平和を噛みしめる月、8月です。
食材が溢れる日本。
収入がどうだとか、悩む事も色々にありますが、安心してご飯が食べられるのは、日本が平和だからだと思います。
手を合わせて、感謝の気持ちで、この夏を乗り切りたいです。
(2015.8.1 文責・山野亜紀)
〇2015年8月のお膳