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第7話 「殺陣・武術指導として、生きる」(2013年12月)

●以前は、大河ドラマのテロップに「殺陣指導 林邦史朗」と紹介をされてい・・・林先生★

 それから長い歳月が流れ、これだけ武術的な事も取り入れて指導をしているのだからとNHKのプロデューサーと話をして、「殺陣」だけでなく、後に「武術指導」という名称を足して、テロップにあげてもらう事になったとか★

 ・・・いよいよ、冬将軍到来ですね。 (^▽^;)
 今年も、あと一月となりました~♪
 そんな昨今ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今月の「和心きらり」です。
 毎月、調理担当の先生に「季節に合った旬食材」をご提案戴いてレシピを掲載してますが・・・何しろ、12月です。 ( ̄_ ̄ i)
 それは、この月に見合った食材も色々にあるとは思うけど、そこは・・・せっかくの年末年始♡
 クリスマスもあれば、忘年会もあれば、お正月もあるもんね~。 :*:・( ̄∀ ̄)・:*:
 ・・・という訳で、バクハツをしてしまった私こと、山野亜紀です★
 調理担当の先生にメールで、語る、語る、語る・・・。(すみません・・・★)

 例えば、私としては(!)
 牛たたきが好物なのですが、スーパーではローストビーフしかお目にかかれないし、あっても超(!)うっすぅ~い切り身が6・7切れで、これまたちっとも(!)食べた気がしない・・・★ (-“-)
 ・・・しかしながら、どうやって美味しく作って、好みの暑さに切って楽しめば良いのかが、判らない・・・とか。 👀


 毎年毎年、ついつい御節料理をスーパーで買い過ぎては余らせてしまい、食べきれなくて悲しい思いをしているので、少量で作れる御節レシピはないものか・・・などなど。 (^_^;)

 語って、語って、語りまくったレシピが、今月の15品です、イェイッ!
 調理担当の先生、ありがとうございますっ!
 これで、この年末年始は豊かに暮らせるわ~♪
 ・・・という気分の・・・私こと山野亜紀なんです★

●さてさて。

 NHK大河ドラマ(以外にも、一杯仕事はしてるんですが★)に、人生を捧げまくっておられる・・・林先生です。
 1963年の「太閤記(緒形拳・主演)」以来、殆どの作品の殺陣・武術指導を手掛けているんですが、その年数も50年です(!)
 ・・・言ってみれば、半世紀。
 その指導方法は、昔と今では、異なるのでしょうか。

 よく最近、「時代劇がもはや、時代劇ではなくなった」と言われています。
 ・・・それは、今をときめく俳優さんや女優さんが出演をされているし、建具や調度品など、その時代に見合った品が使われてはいます。
 殺陣がどうの、演出がどうのというより、演ずる人達が知らない為「時代劇らしくなくなった」とも言われていますが、私こと山野亜紀が毎月、「殺陣と真剣試斬が体験できるワークショップ」を開催しているのは皆さま、ご存知でしょうか。(注:これは2013年当時の事)

 ・・・これが、「真剣試斬と体術」で集客して、30回(!)
 ところが、午前の真剣試斬は満員でも、午後の体術がどんどんと閑古鳥(!)になってきてしまったので、考える・・・私こと、山野亜紀です★
 ・・・考えてみたら、ウチの林流の殺陣では、体術も稽古に多く取り入れている(!)わけだし。(-“-)
 ここは一つという訳で、林先生にこう申し出てみました。

「どうせウチの稽古は、体術もやるんだから、名称を午後は、殺陣のワークショップにしてみてはいかがでしょうか?」

 ・・・これが当たって、この12月で20回(!)を迎えるワークショップですが、午前はもちろん、午後も道場の広さに見合うくらいにはお客様がお見えになり。 👀
 11月には、mixiで知り合ったマイミク「たっつぁん」が、平素は宮内庁食堂でその腕を奮い、活躍を続けているそうですが、今回は気まぐれ(!)で、なんと鯛パーティーを開いてくれる事になりました(!)

 ワークショップが終って、参加者は全員、たっつぁんの敏腕なる包丁捌きと、鯛しか見ていませんでした。 (^▽^;)
 ですが、私こと山野亜紀の申し出で(!)
 彼は気持ちよく、鯛を捌くトコから、お皿への盛り付けまで。 👀
 ・・・過去、料理割烹にも務めていた経験があるそうで、その技もみんなで観賞できて楽しく美味しくて幸せでした。
 たっつぁん、本当にありがとうございました(!)

●さて、話が横道にそれてしまいましたが、林先生の「殺陣・武術指導」の仕事です。

 皆さま、例にもれず、
「殺陣の先生なんだから、林さんという人は、殺陣というのを生業になさっているんだろう・・・」
 と、お考えの事と思います。
 さて殺陣とは一体、どんなモノなのでしょうか。

 「殺陣」は、振り付けると申します。
 そして広辞苑によれば、「殺陣とは、格闘の演技」とあります。
 役者さんが勝手に、思い思いに格闘の演技をし、それも槍や薙刀、弓もさながら(!)
 刀を振り回していては、例えばシャッターチャンスは産まれませんし、危険も伴う訳です★

 ・・・それなら、誰も居ない場所で、1人で演じている分には大丈夫なんじゃないか。
 そう思う方もおありでしょうが、買ったばかりの居合刀を振ってみたくて、自室で1人振っていたら、天井の照明にぶち当たってこれまた、火花は散るわ、破片は飛び散るわで、大わらわ・・・という話も実際にあります。 (^▽^;)

 1人で稽古をしているだけても、そんな惨事が起こりえるのに、大人数が(たとえばお城の攻め入りとか★)戦う「大殺陣シーン」ともなると、その殺陣のテクニックももちろんですが、こういった安全面をキープ(!)するのに、林先生は奔走します。
 ・・・そして、戦っている役者さんにはもちろんですが、その戦っている場所(つまり、環境★)にも気を配らなくてはなりません。

 特にロケシーンがある場合には、林先生もロケーション地を、視察に行く事があります。
 「この辺りで、どうだろう」と目星を付けた場所を訪れ、殺陣を演じるのに危険はないか、その目で確かめます。
 雨のシーンなら地面は滑るし、外には「セットにはないモノ」が色々と存在します。
草の根や木の切り株、木の根はもちろん、落ち葉、苔なんかも、何かの弾みで怪我に繋がる事があります。
 高い場所から落っこちるとか、階段落ちの他にも、こういった部分に気を配るのも、殺陣師の役目です。

●そんな・・・林先生の仕事ですが、最近は少し、趣が変わってきました。

 林先生、ドラマのリハーサル行程や本番の予定表を見て、最近、首を傾げる事がよくあります。
「殺陣シーンでもないのに、どうして自分の処に印が付いているんだろう・・・」
 この降板表には、出演者の皆さんはもちろん、必要とあれば様々な先生方(所作や、茶道、笛指導など★)が呼ばれるんですが、不思議に思いつつも林先生が足を運んでみると、監督がすでに来て待ってたりして、話を聞いてみると、こんな事。


「主役の子供時代のカットなんですが、木登りをしていて、降りて来るんですよ。
 その安全を高めるってのは、どうしたら良いんですかねぇ・・・」
 、、、え、えぇーーーーっ!!!
 ・・・林先生の心は、騒ぎます・・・★
「殺陣指導で来てるのに、木登り指導ってのは、殺陣の範疇に入るモンなのかっ???」

●・・・また、先日はこんな事もありました。

 やはり「自分の処に印が付いていた」そうで、本番に出向く・・・林先生。
 このシーンは、リハーサルの時には自分は呼ばれず、本番だけ来てほしいというのは、監督さんのご意向。 👀
 来てみると・・・お芝居的には、役者さんがとあるお願いに行って、結局は門前払いを受けて突き飛ばされて倒れる(!)というシーン。
 ・・・まぁ、これは「人に押されて、倒れて手に怪我をする」という事ではあるし、その安全を保つために呼ばれる。
 これはこれで、ありかと思います。

 そしてまた、またもや林先生は、何の為に呼ばれたのかと悩みながら、撮影現場に赴きます。
 ・・・そこで聞いた処には、
「実は、役者さんが薪を割るシーンがあるのですが、斧を使うので、指導をして(!)欲しいのです」

 ・・・斧かよ。 ( ̄ー ̄;
 しかし、斧で薪を割るっていうのは、殺陣の範疇に入るのだろうか???
 ところが、スタッフのみなさんが口を揃えて仰る事には、
「だって薪を割る斧ってのは、刃物でしょう???」 ヽ(゜▽、゜)ノ

 ・・・ちなみにその、齢六十に近い役者さんは、今迄に、一度も薪を割った事がないという・・・。
 それは・・・。
 それは、私こと山野亜紀もないけれど。 (^_^;)
 で、林先生が致し方なく・・・直径20センチほどの薪をこれまた、いとも簡単に割って見せた処、周囲からは、
「すごいっっ!」
「さすが、林先生っっっ!!!」
「すばらしいっっっ!」
 ・・・と歓声があがり、とても場は盛り上がったのだけれど、林先生の心は複雑だったんだ・・・そうな。 (-_-;)

 時代劇には、今では余り使う機会もなくなってしまったとか、それ自体がなくなってしまたという所作が多く存在します。
 井戸から水を汲む、火を熾す、駕籠かきをする(時代劇だと「この役処は、褌をしめなくてはならず」、これが自分で締められない人も多い★)、そして木登りをする、薪を割る・・・。

 この「現代と、当時の生活レベルの格段の差」がまた、時代劇を衰退させている・・・★
 そんな事を思った、年の暮れでした。 (-_-;)
 そんなこんなではありますが、来年も、よろしくお願い致しますです。 (^_^)v
(文責・山野亜紀 2013.12.1)


 〇2013年12月のお膳

☆「あぁ師走、せわしいモンだよ、日本人」~師走の旬(2013年12月)

◎12月のお膳(2013年)

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