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☆「水菜聞いたか鯖よんだ、馴染深いね、日本人」~神無月の旬(2015年)

●関東者の、私こと・・・山野亜紀が「水菜さん」を初めて知ったのは、いつの頃からだったでしょうか。

 よく覚えてはいませんが、初めて食べたのは外食のサラダ辺りからのような気がします。 👀
 イメージ的に、「水のように味がない野菜」としか認識していなかったので、あまり手に取る事もなかったのでした。 😅💦
 そんな私が贈る、驚愕(!)の水菜レポートを今回は、お伝えします。

 さて水菜さんなんですが、アオナ、ウキナ、タカナ、ハタケナなどと一緒に、草かんむりに、松の字を書いて「菘」の文字を当てていたそう。 👀
 日本では、松竹梅は目出度いモノのトップ3(!)
 その「松の文字が充てられる」くらいに、昔は、なかなかに珍重されていたモノなんだとか。

 京都では、東寺九条辺りで肥料を使わずに水と土だけで栽培されていたので、「水菜」の名で呼ばれているそう。 👀
 ・・・これが近江の辺りだと「兵主菜」で、他の地方では「京菜」などと呼ばれているようです。

●流通のせいで、てっきり「関東には、水菜を食べる習慣が全くなかった(!)」と思い込んでいた・・・私こと山野亜紀なんですが★

 ところが、なんと(!)
 十一代将軍、家斉の時代に、お江戸の農産物を紹介する「武江産物志」という書物がありまして、そこに他の作物と一緒に、水菜さんも紹介されていたんです。 😅💦

 千住(現在の、足立区)の辺りで栽培されていたよう(!)
 またそのお値段なんですが、当時はオランダ商館医として日本に赴任していたシーボルトさんが書き残していた文献に、大根が10本で72文、水菜は1把で56文とあります。 (^_^;)

 水菜一把の大きさが、今とは相当に違っていたとは思うのですが、大根1本7文に対して、こちらは56文ですから、どちらかといえば当時は高級食材であった訳ですよね。 😅💦
 ・・・先日、スーパーで見掛けた折には、1袋で138円だったような気がしますが、時代によって作物の価値も様々なんだなぁと、驚かされます。

●さて水菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜だそうで、実は緑黄色野菜なんだとか。 👀

 ・・・あんなに薄い葉の色をしてるのに緑黄色野菜だなんて、、驚きますよね。
 また水菜は、一株の葉数が多いのも特徴で、お正月のお雑煮や、煮物や和え物、炒め物や漬け物にしても良いそうで、甘塩で漬けた京都の糸菜漬は、有名なんだそうです♡

 さて、水菜の種類としては、まずは「千筋みずな(写真・上のもの)」。
 こちらは関西に多く流通していて、葉っぱに多くの切れ込みがあって、白い茎なのが特徴です。 👀
 対して「茎広きょうな(写真・下)」は、関東が主流。
 葉の幅が狭くて、切れ込みが浅くて、一株の量が多くて、茎が太いのが特徴なんだそう。

 そして、これももちろん、水菜の一種なのですが、壬生で発見されたという壬生菜は、葉に切れ込みがなくて、歯触りが柔らかくて、辛味と香りがあるのが特徴♡
  壬生菜飯というものがあって、これは一晩塩漬にした壬生菜を揉んで水洗いしてから刻み、米に混ぜて炊きこんだものだそうです。 👀

●さて関東の水菜さんは、特にクセもなくて、水のような食感が特徴(?)

 なので、栄養的にも大したことがないんじゃないか・・・とか私こと、山野亜紀は思っていたのですが、ところがドンドン(!)
 βカロテンビタミンC鉄分葉酸が多いのも特徴で、非常に栄養バランスの良い野菜なんだとか♡

 驚いた事には、魚や肉の臭みを消す効果までもあるそう♡
 なので、クジラ料理のはりはり鍋には、(クジラの臭み消しの意味もあって)水菜をたっぷりと入れて作るんだそうです。 👀
 ・・・ただ、せっかくのビタミンCが火を通すと壊れてしまうので、生で食べるか、火を入れるにしても余り煮込まず、さっと湯がく程度で(!)
 歯ごたえを残すように調理するのが、美味しく食べるポイントなんだそうですよ。 (^-^)

●そして100gで、たったの23カロリー(!)

 水菜に含まれている「アリルイソチオシアネート」は、「わさびと同じ辛味成分なのだそう。 👀
 これが血栓の予防に役立ったり、またわさびと同じで抗菌作用が♡
 またこれが、先ほどの魚や肉の臭みを消して下さいます。
 なので、食品保存のための包装材としてまでも、活用されているんだそうですよ。 (^o^)/

 そしてまた水菜に含まれる「グルコシノレート」ですが、これには解毒作用を強化する効果があります。
 先ほどのアリルイソチオシアネートに、こちらが酵素分解されていくんですが、抗ガン作用の効果になるとか。 👀

 そして水菜さんが持つ、たくさんの食物繊維は、腸内環境を整えてくれますし、含まれるビタミンCは、シミ、そばかすの予防やコラーゲンの生成を促し、活性酸素を消してくれます♡
 免疫力アップ、ストレス解消にも、このビタミンCは一役買っています。
 またカルシウムの含有量も多くて、100gの含有量は牛乳の約2倍にもあたるとか♡

 水のような食感で、あまり手に取る事がなかった・・・私こと山野亜紀サンでしたが、以外や以外(!)
 水菜さんのパワーに、感じ入ってしまいました。 😅💦
 これからは心を入れ替えて、積極的に戴いていきたいと私自身も思います。 (^_^;)

●さて今月のもう1つの旬食材は、庶民の味方、サバでございます。

 私こと山野亜紀も、そして林邦史朗先生も大好物のサバなんですが、古来より、あたりやすい・・・という処が難点なんです。 ( ̄_ ̄ i)
 「サバの生き腐れ」とは良く言いますが、とにかくサバには脂肪分が多く(!)て、鮮度低下が早い(!)

 ・・・そういえば、カツオでも同じ下りがありましたよね。 👀
 お寿司屋さんでは、今でも「カツオは足が速い(鮮度が落ちやすい、腐りやすい)」ので、余り扱いたくないと仰るお店も★
 サバの鮮度が落ちてしまうと、ヒスチヂン(という名の、赤身の魚が持つビタミン★)が、魚に付着しているバクテリアと合体(!)
 力を合わせて、かの有名なアレルギー物質ヒスタミンへと、変ってしまいます・・・★

 これは花粉の季節に、さかんにテレビでお医者さんやら、薬屋さんが叫んでいる、アレですね。 ( ̄_ ̄ i)
 食べればアレルギーを発症、蕁麻疹やら、中には吐き気を起こしたり、むくんだりしてしまう方も★

●さて、カツオを生で食べるようになったのは、振り返ってみれば、ごく最近のようにも思いますよね。 👀

 冷凍技術が進んだから・・・と、私こと山野亜紀は思っていたのですが、ところがドンドン(!)
 調べてみると、冷凍されている間もこのヒスチヂンは、バクテリアと融合、合体を繰り返しているんだそうです。

 長引かせてしまうと、どんどんとヒスタミンが増えてしまうので、昔も今も「カツオは獲れたら、イキが良い内に即食べが鉄則」のようです。
 ・・・さて、カツオですらそうなのに、サバの場合は一体、どうなのでしょうか。
 日本では、太平洋の各地で水揚げされているサバさんなんですが、秋が旬

 その卵は、伊豆半島の沖で春頃に孵化して、エサを食べながら北上。
 その皮と身の間に脂を蓄え、丸々と太っていくんですが、9月から10月にかけてようやく、その皮下脂肪が身に、徐々に行き渡っていくんだそうです♡
 寒くなるにつれて脂が回り、身も締まって美味しくなっていくんだそうですが、九州だと冬がサバの旬であるようですよ。 👀

●古くから日本人に馴染のあるサバさんは、縄文時代の遺跡からも、その骨などが発掘(!)

 古くからサバと呼ばれていたようで、一節には、小さい歯が多い事から「小(さ)歯(ば)」と呼ばれるようになったとも。 😅💦
 平安時代には、中男作物(要するに、税金の代替物)としても貢納されていて、すでにこの頃には「鯖売りの行商」も出ていたのだとか。

 また年齢を誤魔化す意味での「サバを詠む」という言葉は、大量に捕れる割に鮮度低下が激しいから、魚屋や猟師も、ろくに数を数えないで、大急ぎで売りさばいた事から来ているとか★

 また、「秋サバは嫁に食わすな」という諺(ことわざ)があるそうですがこれは、嫁いびりに繋がるという説やら。
 現代では「脂肪が多すぎるので、嫁さんには良くない」という、いたわりへと結ぶ解釈もあるそう。 (゜-゜)

 面白い処では、空海(平安初期の高僧で真言宗の開祖、弘法大師とも)が、旅僧姿で鯖を求めたら、何故だか鯖を与えなかった為に、その者が罰せられたなる伝説があったり・・・などなど。 😅💦

●また、古くからサバさん、親しまれているせいか、相撲の技にまで、その名が使われています。

 「鯖折りという技」で、この名は、鯖の締め方に由来するそう。
 エラから指を入れて、鯖の頭を上に折り曲げてサバは締めるんだそうですが、相撲では「両手で相手のマワシを引きつけて、上から乗っかるようにして相手を押し潰して膝を着かせて、やっつける」んですって。
 面白いですよね。 (^-^)

 さて、よくサバは、お酢でしめての「〆鯖」にして食べたりしますよね。
 「鯖の鮮度を保つには、お酢が良く」。
 これで血液サラサラ効果や疲労回復、夏バテや肝機能強化など、効能が上がっていくんですが、困った事にはその身に、アニサキスという寄生虫が付く事もあるそう(!)

 ・・・この方は、お酢にもめげません。 (^_^;)
 回遊するサバより、根付きのサバに付くらしく、なのでやっぱり塩サバなどの方が、安全面ではズバ抜けていますよね♡

●また京都の鯖寿司は、有名ですよね。

 もちろん冷蔵庫もなく、冷凍技術のない頃には、若狭湾(福井県)で獲れた鯖を京都まで運ぶには、18里といえば、現代では72キロ(!)
 ・・・サバが傷まないように、塩をごく辛くしてから、荷車や馬などで輸送したそうですが、この塩分が、ある意味での山国での食塩補給にもなっていたとか。

 この街道を移動する間に、鯖寿司には丁度良い塩加減となって、酢飯と併せれば、カンタンに拵えられると、名物に♡
 ・・・ところが、ところが★
 昨今 では技術が進んでしまい、生の鯖が、直に(!)運ばれてくるようになりました。

すると今度は、この塩加減が難しくて、鮨屋を嘆かせる事にも至ったのだとか★ (^_^;)
 
 ・・・とある、秋祭りにて。 
 魚屋としては、サービスのつもりで生鯖を持ち込んだそうなんですがさて、それからが大変(!)
 「塩漬け鯖を用い、酢飯に載せるだけ」のつもりだった婦人会の皆さま方は、てんてこ舞い!

 鯖の塩漬けが難しいわ、そのノウハウがまだ彼女達にはないわで、結局は間に合わず★
 ・・・さりとて、この「腐りやすい鯖を、家に持ち帰る」など、とっても出来ず。 (>_<)
 大量の鯖がただ、持ち腐れをしてしまった・・・なんて話まで、あるそうでなんです。 (^▽^;)

 そんな・・・何だかんだがあったという・・・サバさんなんですが★
とはいえ、日本古来から愛されて来ていもいる、サバさんです♡
 秋の味覚として今年も、慈しんでさし上げようでは、ありませんか。
 (2015.10.1 文責・山野亜紀)


 〇2015年10月のお膳

◎10月のお膳+お弁当☆(2015年)

〇バジル風味のケークサレ

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