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☆「シシとブタは、何違う?インゲン和尚だ、日本人★」~葉月の旬(2015年)

●お肉屋さんコーナーを、賑わせている豚肉売り場です。 👀

 そのブタは、実はイノシシを改良(!)
 よくお肉が取れるようにと、身体は巨大化をさせて、しかも子を多く産ませる能力を授けたと聞いたのは、小学校の授業か何かでした・・・。 😅💦
 「品種改良で作られた」なんて聞くと、ついつい、それはもう近代の事よねとか、思ってしまっていた・・・私こと、山野亜紀なのですが★

 ところが、ドンドン!
 日本では、もっと昔からブタも、そしてイノシシという言葉も、どちらも混同して使われていたようなんです★ 👀
 ・・・はてさて、ブタとイノシシの違いは一体、何ぞや・・・なんですね。 (^_^;)

●ちなみに広辞苑を見てみますと、猪は「ニホンイノシシ」と紹介をされています。 👀

 ウシ目(偶蹄類)イノシシ科の哺乳類の総称で、日本産なら、頭からお尻までが1.2メートルほどにまで成長(!)
 これに20センチの尾っぽが付いていますが、広くはヨーロッパから、アジアにかけてお暮らしになっているらしい。 👀
 ・・・対するブタはといえば、広辞苑では「イノシシを家畜化した生物」と説明をしています。

 狩猟で身を立てていた縄文時代の日本では、もちろん人はイノシシを狩りで仕留めて食べていました。
 その縄文時代の遺跡から発掘された骨を調べてみると、そこにはブタの遺伝子を持っていた動物がいたなる記述(!)があります。
 は、遺伝子って・・・?
 「イノシシを家畜にしたのがブタ」なら、縄文人は「植物の栽培も始めていた」くらいだから、家畜も始めていたものでしょうか・・・??? (゜-゜)

●はたまた弥生の頃になりますと、この当時から始まりました稲作文化。

 「米は、アジアから渡って来た」くらいなので、その時に(あちらで家畜化された)ブタが紛れ込み、そこから混血して飼育が始まった・・・などの説も出て来ます★ (^_^;)
 学者さんは、一生懸命調べているようなんですが、どうやら今では、九州や四国の辺りのブタさんは、渡来系。
 東はもともと、日本で暮らしていたイノシシが家畜化してブタとなったとかいうのが、新説のようなんですね。 👀

 ・・・それはいちいち狩りに行くよりも、家畜にしてしまった方が人々も、生活をし易かった事でしょう。
 「日本書紀」や、日本最古の歌集「万葉集」にもその名が記載されておりますし、古事記では、猪飼とか、猪甘、猪養なる言葉で出ています。 👀
 家畜になっているから、「猪の文字を使ってはいる」ものの、「その実は、ブタである」とか書かれてますが、学者でない・・・私こと山野亜紀には、何だかここまで来ると、どうでもいいような気もして来ました。 (^▽^;)

●さて日本では、仏教の教えから「肉食禁止の世の中」となっていきます。

 聖徳太子を超えて大化の改新、そしてやがて始まる天皇制。
 この頃、天武天皇「牛、馬、犬、日本猿、鶏の肉食禁止のお触れ」を出していますが、これは「農業を助ける獣を守る」事で、果ては「その収穫から上がる、税収を高めよう(!)」といった狙いから出たモノなんだとか。 ( ̄ー ̄;

 4月~9月までがこのお触れ期間で、それ以外の月なら食べても良かったんだそうですが、・・・サルってこの辺りの時代なら、農家のお役に立っていたんですねぇ、まぁビックリ★ 😅💦
 今では「サルの被害」が叫ばれまくっているのに、当時のサルは益獣だったんですねぇ・・・。

 それがだんだん、仏教の教えが深まるにつれて、米もまた、その存在が神聖化していきます。
 ・・・やっぱり肉食は「穢れに繋がるので、良くない」とされて、一度はブタの家畜までも途絶えしまうんだそうです。 (^_^;)

●・・・まぁ、狭いながらも色々あるのが、この日本というお土地柄。

 天皇の目が届く辺りまではそうでも、沖縄(琉球王国)や鹿児島の奄美地方は、また別です。 😅💦
 その代わり、あまり頻繁には食べられてはいなくて、なんといっても豚肉「ハレの日の、おご馳走」でした。

 ・・・そういえば、沖縄といえばアグー豚(!)
 つまり黒豚なんですが、1385年(室町時代)に沖縄にやって来たんですって。
 沖縄原産ではなかった事に、私こと山野亜紀も、びっくりです。 (^_^;)

●その後は、江戸の二代将軍・秀忠の時代まで、日本と豚の関わりはバビュンと飛びます。

 1613年に、イギリスの東インド会社の貿易船が、長崎県は平戸にやって来ました。 👀
 平戸領主の松浦鎮信が、船長のジョン・セ―リスに魚や豚肉、日本酒などを贈ったのですが、その時に多分、「イギリスでは、ブタをどうやって食べるのかなぁ~」と思ったのではないでしょうか(?)
 豚や牛料理を、イギリスの方に作ってもらった、なんて記述があります。 👀

 やがて3代将軍・家光の時代になると、今度は平戸にあった「オランダ商館」が、長崎の出島に引っ越しをして来ました。 👀
 オランダ船などが出島に行き来できるようになり、「キリシタンが住む島」にもなりましたが、オランダ船からはとにかく、珍しい食べ物や酒などが、出島に運ばれて行きます。
 ・・・そう、塩漬けの豚肉やフランス産ワイン・・・などなどです♡ (〃∇〃)

 当時の日本人はもちろん、出島に出入りをしている他国の船員も、試してみたい品物ばかり★
 ・・・ところが後に「これはキリシタンだけが食するモノで、他国人には売ったり、贈答にしてもならぬ」という、お触れが出ました(!)
 がっかりした事でしょうねぇ・・・★
 でもそこは、なんとか法の眼を掻い潜って・・・という輩も、もちろん居たとは思います。 😅💦

●こんな時代もありましたが、珍しモノが好きで、食い意地も張っている日本人です。

 11代将軍、家斉の辺りまで時代が下がりますと、長崎にようやく、豚肉を食べさせる店も出来てきました♡
 広島の辺りでは当時、まるで犬を飼うように豚を飼っていたと、紀行文にも記されています。 👀

 「穢れがあるとされた獣肉」は、猪なら牡丹、鹿なら紅葉鍋と、お江戸でもその名を変えて食べられるようになりましたが、女性はけっこう、敬遠していたようです。 😅💦
 面白い処では、養豚業が盛んになる中で、福沢諭吉が「肉食を改めよ」なる記事を発表していたり★
 ・・・うーん、諭吉さんってやっぱり、お堅い方だったのかしら。 ( ̄▽ ̄;)

●やがて明治になりまして、明治天皇のお食事にも肉食が採用されるようになりますが、そのまずは一発目!

 「牛肉を、試食された」なる報道が、新聞で公表(!)
 ・・・これがまた、よほどに肝に据えかねたのか。
 報道は1月だったんですが、翌月には御嶽行者が抗議の為に皇居に乱入(!)
 精進潔斎を信条とする山岳信仰の行者が、白装束で皇居に乗り込み、10名のうち4名が射殺、1名が重傷で、残りの5名が逮捕の運びに。

 ・・・明治天皇、実は肉食がしたかったかも知れないのに、こんな事件まで起こるとは★
 天皇の務めというのも、大変なモノなんだなと思ってしまう・・・私こと山野亜紀です。 (>_<)

●そんな・・・豚肉なんですが、その栄養・効能といえば、なんといってもビタミンB1(!)

 「疲労回復のビタミン(!)」と呼ばれているそうで、牛肉の10倍も(!)そのパワーがあるとか。 👀

 今年のこの、どうにもならない暑さで溜まりまくった疲労物質や乳酸を一掃して下さいますから、疲れや夏バテ。
 果ては、激しい運動をしている方にも、おススメです♡
 またアルコールを分解するパワーもお持ちですから、何とも有難い食材ですよね。
 玉ねぎやニラ、ニンニクやネギと組み合わせると、吸収力が5~6倍もアップするとか。

 そして含まれるビタミンB12には、疲れた脳を癒して下さる効果も・・・♡
 また豚肉の脂肪は「コレステロールを低下させる脂肪酸が、多く含まれて」います。
 肌の活性化にまでも一役買ってくれるのが嬉しい処ですが、その代わり、豚肉を100g食べたら、野菜は200gは摂りましょう!
 何事にもバランス、豚肉はこの夏たくさん試して戴いて、暑さを乗り越えていきたいアイテムです♡ (^_^)/

●さてもう一つの旬食材、インゲンさんに参りましょう。

 今回の旬食材は、インゲンとはいっても「サヤインゲン」の方です。 👀
 若いうちに莢ごと食べますが、1年のうちに3度も収獲出来るそうので、関東では「三度豆」と呼ぶ地もあるそう。
 豆科の蔓性の一年草で、原産は南米とも。
 若い莢はサヤインゲンとして食べて、実になったインゲン豆は、飴や豆きんとんなどの原料になります♡

 はてさて、インゲンさんは、1654年は四代将軍・家綱の頃に。
 ・・・日本からのお願いに応えて中国は福建省の禅僧、日本黄檗(おうばく)宗の開祖となる隠元という方が日本にやって来た折に、お持ちになった食材なのだとか★

 ちなみにこの方は、後に日本に帰化して、京都の宇治市に1661年に萬福寺を建立。
 臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗のお寺さんなんですが、他2つは日本風にだいぶ姿を変えているのに、この宗派だけは明朝風様式を保っているんだそう。

●・・・そういえば、一昔前のサヤインゲンには、固い筋がありましたよね。

 茹でてもこの筋が残るので、下拵えの際に両端を折って、この筋を取るなる作業があったのですが・・・。
 昨今の品種改良が進んで、今では殆ど取らなくても良くなったんだとか。 👀

 私こと山野亜紀が子供の当時は、明治産まれの祖母にこの「インゲンの筋取りのやり方」を教わったものですが、それももう必要のない作業になってしまっている(!)のか・・・。
 時の流れに、泣かされてしまいます。 (^_^;)

 どじょういんげん、サーベルいんげん、平鞘隠元(ヒラサヤインゲン)、モロッコインゲン・・・などなど。
 種類もあれば、色違いまでも産まれ、今やインゲンさんの親戚は、かなりな賑わいに。

●そんな・・・インゲンさんなんですが。

 「サヤインゲンの豆」にはタンパク質が含まれていて、これが疲労回復や、肌や皮膚を整える働きがあります。 👀
 そしてベータカロテンやビタミンC、食物繊維もまで豊富なんです♡
 ・・・ビタミンB1や、むくみをとるミネラルであるカリウム、鉄分なども含んでいるので、ものすごく低カロリー食材なのに、含まれる栄養素また、とっても多いんですね。

 私こと山野亜紀の家では、ドジョウインゲンばっかりを愛してきましたが、今回、平鞘隠元なる種類を知りまして、この文字を見ると、
「これこそが、隠元和尚が中国から持ってきたインゲンかも・・・」
 とも思い、わくわくしてきました♡
 ドジョウインゲンなら、1本たったの3カロリー・・・。
 この夏も、この方たちに癒されて、愛を感じて過ごしてみようではありませんか♡
 (2015.8.1 文責・山野亜紀)


 〇2015年8月のお膳

第27話 「和心きらりHP」を始めて。(2015年8月)

◎8月のお膳+お弁当☆(2015年)

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