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第25話 「アユさんの、こぼれ話をひとつ★」(2015年6月)

●「和心きらり」もいよいよ、3年目に突入~っ! (^_^)v

  レシピ数300(!)を超え、今月の旬食材はと言えば、私こと山野亜紀も大好物っ!
 ・・・そこはまぁ、(旬食材といえば)選ぶ立場のある私の好きな物が並んでしまう傾向には、ありますが★
 おそらくは、皆さんもお好きかと思われる・・・あゆとシソでございます。 👀

 振り返れば、旬食材の数も50を超えました♡
 「和心きらり」を始めた当初を振り返れば、まぁ・・・なんだか、しみじみ・・・★
HPをやっている内に、何だか。
 「こんなページが、(自分の為にも)欲しい(!)」 
 ・・・と、思うようになってきたりして、・・・そこには自分のこだわりもあって、新しいページが増えてきてしまいました・・・うーむ。 😅💦

●さて今月のお題なんですが、先月の鰹と並んで、長らく日本人に愛されて来たという、アユさんでございます。 (゜-゜)

 太古の昔より日本ではアユさん、神前に贄(にえ)として供えては、占いに使ってみたりもした事から、「魚」へんに、「占い」という文字を充てたモノでしょうか(?)
 旬エッセイでもご紹介をしましたが、アユの歴史を辿ってゆくと、古くは「大化の改新」にまで遡ります・・・。

 ・・・蘇我入鹿がどうのだの、クーデターが何やら・・・とか。 (^_^;)
 その後に生じたという、日本初の(!)天皇の「改新の詔(みことのり)」により、古(いにしえ)の税制度である、租庸調が「調」の一つとして、アユさんはその姿を様々に変えては、日の下の民のお役に立ってきたというから驚きです。 😅💦

●歴史と調べモノが苦手な・・・私こと山野亜紀ですが★

 先月のカツオの時もそうだったんですが、アユさんの場合もしかり。
 余りにも、「アユと人との関わりが長すぎ」て、圧倒されまくってしまった食材なのでした。

 それほどに、日本人には今も愛されている魚なのだなぁとも、思いましたが・・・。
 旬エッセイだけでは、しきれなかった「こぼれ話」を、こちらでもぼちぼち、ご紹介していきましょうか。

●さて、こんなHPも始めてみると以外に★

 3年目にもなると、色々と食材の知識なんかも増えてまいりました。 👀
 先月の、鰹でも出てきた「延喜式(えんぎしき)」という書物でございます・・・。 (-“-)
 平安の中期に発行された書物なんだそうですが、内容はといえば「律令(という法律)の、施行細則」

 日本の食文化を掘り起こすのに、大きな貢献をしているモノだそうですが、書物自体は、先ほども申した通りに・・・平安時代に。
 ただ、この法律が出来た時代というのが例の、「大化の改新という歴史的事件(!)」にまで遡ります。
 ここで、当時のお偉いサンであった蘇我入鹿がまず、暗殺っ!
 代わって日本のトップに躍り出たのが天皇で、様々な法律を定めていきます。

●まず、「祖」というのは。

 日本なので、もちろんお米を指すんですが、秋の収穫の3%をまず、国に納めること。
 ついで「庸」とは、都まで自ら往復交通費は自腹で出向き(!)
 ・・・天皇が定めた一定期間を、宮の為に、言われるままにタダ働きをすること(!)
 そして「調」と言えば上記の他に、「地方の特産物も、それぞれに従って、税として納めなさいね」という、振り返れば余りにもなお話でございました。 (^^;;

 当時の日本の庶民は、この「3形態の税金を納める義務(!)」というモノがある日(!)
 突然、天皇というお方様からより課せられてしまったという訳です★

●アユは、別名を「年魚(一年で、一生を終えるから)」とも言いますが、その香りが良いことから、「香魚」とも呼ばれています。 

 古くは今は奈良県にあったという平城京や、藤原京の木簡資料(木の板に記された文字★)に、その名が様々な形で語られております。 👀
 「生(なま)年魚」や、「煮塩(にしお)年魚」、「煮乾(にぼし)年魚」に「火乾(ひぼし)年魚」、「塩塗(しおぬり)年魚」、「押(おし)年魚」、「漬塩(つけしお)年魚」。

 もう、鮓(すし)年魚などという字も見られますが、このというのは、東南アジアや中国でも知られる加工法で、いわゆる鮎の馴(なれ)鮓のこと。
 ・・・今や京都の駅弁にまで登場する「鮎のお寿司」も、古くはこんな時代にまで遡ってもうはや(駅弁はさすがに、馴れ鮓ではないけど★)、活躍をされていたんですねぇ・・・しみじみ★

●また鮎といえば、その豊富な栄養素・内臓を使っての珍味も忘れてはいけません。

 うるかは、鮎のハラワタだけで作った塩辛の事。
 苦いハラワタで作ったから、「苦(にが)うるか」とか、「渋(しぶ)うるか」と呼ぶ処もあるとか。 👀
 ・・・そのほか、アユの卵だけで作れば、「子うるか」に。
 白子(オスの精巣)を使えば、「白うるか」。
 両者取り混ぜての、「取り混ぜうるか」というモノもあるそう。 (゜-゜)

 とにかくアユさん、日の下の民にはとっても(!)愛されていたようで。
 秋の時節の、海へ下ってゆくアユは・・・まずは「頭」から。
 夏から川を遡ってゆくアユは、下(くだ)りから食べるべきだとは書物、「大草殿(おおくさどの)」にもあります。 👀
 ・・・これは、現存する最も古い料理書(室町時代の食膳やら、食事作法について紹介★)です。
 特にその名を「焼き鮎」と銘打っているからには、とにかく古くから、鮎はやっぱり塩焼きがメインだったのか・・・。 (゜-゜)

●これが、お江戸の時代になると、どうなったものでしょうか。

 初代将軍・家康の時代なら、まだまだ・・・といった処でしょうか。
 何しろ当時は、「お城や街造りの普請にまだまだ、精一杯だったお江戸の町」です。
 「もともと荒れ地だった土地を、お城と城下町にしていく」には、 働く人足人口の絶対必要数は多いし★
 かといって、開墾途中の時代ですから、まだ耕作地は少ないし、庶民は食べ物を口にするのも精一杯(!)

 それが、ようやくに開墾が進んで田畑が整い、街道までも整備されてくれば、庶民といえども、ちょいと余裕も出て来ます。

●・・・何しろ、先行き短いご時世だから★

 庶民なら、その寿命は「人生50年」よりも短かったことでしょう。
 いつ、何が起こって死ぬ羽目になるかもわかりません★ (^▽^;)
 どんどんと、「食べれば寿命が3年伸びるという初物を、ありがたく頂戴する」ご時世に。
 ・・・これが、とんでもなく発展してしまって、とうとうお上からは、
「この食べ物は、何月からしか、食べてはいけない!」
 な~んてお触れまで出てますが、そんなむずかしい事は、どこかでやってくれと言うのがまた・・・お江戸の庶民でもあったらしいんですよね。 (〃∇〃)

 なにしろ、子供はなかなか大きく育つまで生きてはいないし、原因不明の難病は流行るわ、食べ物だって「何が毒やら、深くは解明されていない」やら・・・★
 現代とは違って、衛生事情もけして良くないし、ホントに「いつ何で死ぬか」わからない時代でした。

●さてアユさんは別名、「香魚」とも呼ばれるくらいなので、とにもかくにも「香りが命」。

 現代でも、今一つ(遺伝子レベルまでの)生態が解明されていないんだそうで、研究中のようなんですが・・・アユさん★
 私こと山野亜紀が持つ資料に、「鮎石焼」なんて字が見えましたが、釣りたての鮎を川石に乗せて焼いて食べたレシピみたいですねぇ、ふ~ん。 (゜-゜)
 土地の人はそれで良くても、・・・なにしろお江戸で最上級のアユを食べようって事になったら、それが釣れるのは玉(多摩川)辺りだったとか★

 この香りがイキな魚(!)だからこそ、釣ってすぐに、魚に塩を振るなんて事はしなかったんだそうで。 (^_^;)
 ・・・そのまま、「お江戸までひたすらに、ひた走って駆け届ける」という商売があったという事だから。
 それも時期になれば、これがけっこうな稼ぎになっていたというから、・・・何とも★

●「鮎かつぎ」なる仕事が、お江戸の頃にはあって★

 その日に上がったアユを、10里(約40キロ程★)離れた内藤新宿の鮎問屋にまで、ひた走りに走って、駆け届ける(!)
 ・・・これはもちろん、夜中だろうがお構いなしの商売だったんだそうで、その代わりといっては何ですが、当時は「日傭(ひよう)取り」と呼ばれた仕事の中では割高の御給金が戴けたのだとか★

 ・・・時速40キロの車なら1時間の道のりを、人は一体、どれほどの時を掛けて走り抜けたものでしょうか。

●ちなみに「玉川は鵜飼で獲ったアユは、極上の献上品」に成りえたので、お殿様が食べていたよう。

 専用の平たい鮎籠に、殺菌効果の高い熊笹を敷いては、もちろん献上品だから丁寧に、きれいに並べた事でしょう。
 ・・・もちろん並べた上からも、この笹で大事に覆って、鮎の香りが逃げるのと、傷んでいくのを防いで・・・。 (´_`。)

 この鮎籠をひょいと担いだら、並べた形は崩さず、魚には傷付けずで気を配りながら、お江戸までひた走るという、その偉業(!)
 ・・・その気遣いだけで、現代人なら過労死かも。 (^_^;)

●途中、武蔵野の辺りを通ると。

 何しろ新鮮(!)な鮎の匂いを、ぷんっぷん(!)させて走るので、どんなに頑張っても、動物達が寄って来ます・・・★
 狙ってくるキツネなんかを防ぐべく、歌いながら運んだという、その「鮎歌」は、「シーズン中は、鮎問屋のある内藤新宿の、名物だった・・・♡」なんて★
 今のネオンがギラギラの新宿では、どう頑張ってみても想像できない、もはやメルヘンの絵空事のようですよね。 (^▽^;)

 俳句では、若鮎といえば春の季語。
 落ち鮎とか、さび鮎といえば、秋を指すそう。 👀
 この「さび」というのは鮎の、婚姻色なんだそう。
 ・・・春は川を上っていって、秋には卵を産んで、孵化した稚魚は海へと下っていく・・・アユ。

 見れば高級店では、私こと山野亜紀が見た事もないようなメニューが並んでいるようですが、やっぱり塩焼きが良いなぁ・・・♡
 今回は、そんな「こぼれ話」を、ご紹介してみました。 (^-^)
 (2015.6.1 文責・山野亜紀)


 〇2015年6月のお膳

 

〇あゆの塩焼き

☆「目に大葉(?)鮎に紫蘇だよ、日本人」~水無月の旬(2015年)

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